2004年 12月 01日 (水)        

■  徳田倉庫の保存を町に要望 産業考古学会

 産業考古学会(会長・小山徹埼玉大学客員教授)は11月29日、矢幅駅西地区にある徳田倉庫の取り壊しを考え直し、同学会で調査することを求める要望書を矢巾町に提出した。

 町役場を訪れたのは同学会評議員の小野寺英輝岩手大学助教授。「産業考古学会としては単なる古いということだけで価値を考えているわけではない。徳田倉庫が地域の産業の歴史の中でどういう位置を占めてきたか価値を考える。建物は大分手を加えられているが価値は変わらない。というのは地域の農業の成り立ちを示す象徴であり、鉄道の遺産としても評価できる」と話した。

 要望書には「建物は昭和9年に建てられた農業施設、東北本線の盛衰を握った貨物輸送の変遷という側面からも、穀倉地帯矢巾の貴重な産業遺産。さらに倉庫の存在は、法定協に不参加を表明し独自の歩みを選択した町にとって次世代を担う子供たちに矢巾の歴史を伝え、地域を誇るシンボルになる。解体してしまえば、バーチャル的に再現できたとしても質感のない単なる資料になる」として倉庫解体の見直しと調査を要望している。

 要望書を受け取った川村光朗町長は、小野寺助教授と30分余り懇談した。終了後の質問には、住民監査請求を受け監査が行われているのでとコメントを避けた。

 小野寺助教授は調査要望の狙いを「今ある調査資料だけでは足りない。壊されてしまえばやろうとする調査もできなくなる。まず建物ができた背景、詳細な図面も引かなければならない。外側にレールが引かれたあとの砂利があるか、鉄道を引いた痕跡が残っているのかといった調査をしたい」と述べた。

 町長との懇談では「保存した場合、経費がばく大になる、町民の意思は確認したと話していた。元の状態に復元し中を見せるようにするには確かに億単位の金がかかるが、倒れない状態で保存するには数千万円くらい、場合によっては解体費用くらいで済む。わたしのイメージとしては縮小してもあの場所にある意味は大きい」と、倉庫の価値を説明したという。


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