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雫石町七ツ森のしずくいし音楽館主宰の園田のりこさんがこのほど、イギリス製専用キットによる、手作りのイタリアンチェンバロを完成させた。初めての楽器製作で、道具の使い方も分からないところからのスタートから1年半。「皆に手伝ってもらわなければとても完成しなかった」というように、地元の木工家たちと力を合わせて、いにしえの楽器を作り上げた。先月27日には同会場で「やっとできましたコンサート」が開かれた。
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【写真】園田のりこさんと完成したチェンバロ
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取り組みを開始したのは昨年の4月。東京から講師を迎え、7月から本格的な製作に入った。全部で470点からなるパーツは、それぞれの寸法に合わせての切断や組み立てが必要。町内の木工家3人と塗装家1人に協力を依頼すると快く応じてくれた。
「付かず離れずの絶妙な距離で、常に見守ってくれた」と振り返る。講師の指導を一緒に聞いて、さまざまな道具をさりげなく置いていく。差し当たっては使わない道具のため「どうして置いていったんだろう」と首をかしげていると、工程が進んだときに必要になってくる。
園田さんが使いやすいように、道具自体を改良してくれていることも。長く借りていても「道具はたくさんあるから」という調子。製作を通して「思わずじーんとした瞬間がたくさんあった。人と人との交流を学んだ」と思う。皆には言っていないが、響板の中には手伝ってくれた人たちの名前をひそかに入れている。
もともとバロック時代の音楽が好き。大好きなチェンバロはすでに1台持っていたが、移動に費用がかかるため、同会場以外での演奏が難しかった。もっとバロック音楽を広めたい。小さなものがほしいと思っていたときに、今回のキットを見つけた。1段鍵盤で45鍵と小振りで、本体と脚の部分の切り離しができ、専用の持ち運びケースが付いているところが気に入っている。
九州出身の園田さん。同町に居を構え、音楽館を開設したのは9年前。「実際に住むようになってから、ビバルディの『四季』の『冬』を実感するようになった。ピアノよりも静かなチェンバロの音色は岩手の雰囲気に合う」と思っている。
「岩手の人たちは言葉は少ないが、地に足を着けて確かなものを作っていたり、才能を秘めている人が多い。今回、チェンバロに触れて自分も作ってみたいと思ったり、楽器に限らず本人の中で何かの目標に向かうきっかけになれば」と思っている。
場所は同町七ツ森154の31。問い合わせは同音楽館(電話番号は019−692−2698)まで。
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