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光と電波の中間に位置する未開拓領域の電磁波・テラヘルツ波を岩手の産業発展につなげようと4日、盛岡市内のホテルでテラヘルツ応用研究会(会長・渡辺民朗岩手県立大客員教授)が正式設立された。来春で県立大学長の退任が決まっている西沢潤一氏が40年にわたり、開発してきた「テラヘルツ」を岩手の産業発展につなげ、将来的に発振装置製造の拠点を目指すことを確認した。
研究会に所属するのは、県立大、岩手大、岩手医大などの大学研究者をはじめ、半導体振興会半導体研究所所長の須藤健氏など、県内外の産学官の研究者らが集った。顧問は西沢潤一県立大学長で、首都大学東京学長就任後も顧問を務め、岩手の新産業創出に協力するという。
県商工労働観光部の酒井俊巳部長が「テラヘルツは医療、食品、通信、化学など多様な分野での応用性があると聞いている。県では今、水晶素材の大手・東京電波を中心に酸化亜鉛の単結晶を世界に発信する『ZnOタウン』構想を進めている。テラヘルツについても新産業を創出し、テラヘルツタウンとして、世界に発信できるようになることを願う」と、県を挙げて支援する姿勢を示した。
渡辺会長は「大学の使命は教育、研究はもとより、地域貢献が重要だ。テラヘルツで新産業を生み出せば、その貢献は計り知れない。医療、農業、化学、通信、いろんな可能性を秘めているテラヘルツの情報交換の場としての応用研究会を活用してほしい」と述べた。
テラヘルツは周波数が10の12乗(1兆=テラ)Hz。衛星放送などに使われる電磁波・ミリ波と光領域の赤外線の中間に位置する特殊な電磁波。光ファイバー通信の研究が先行して進んだため、電波と光波の中間をつなぐテラヘルツの研究は立ち遅れ、電波領域の暗黒領域とされてきた。
テラヘルツの特徴は▽電波の物質透過性と光波の直進性を併せ持つこと▽生体分子に当てると分子の種類によっては、特定周波数のテラヘルツが吸収されること▽半導体、プラスチックを透過すること▽金属や水分を含んだ物質は不透過であること▽X線に比べて人体への影響が少ないこと▽空間分解能力が高いこと−など。
特に医療・保健分野では、正常な細胞とがん細胞を見分ける新たな検査方法の一つとして注目されているほか、将来的にはがん細胞の治療にも応用が可能という。
また、空港での手荷物検査でペットボトル内の液体が可燃性かどうかを調べる検査機などにも応用されており、すでに試験運用が始まっている。
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