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盛岡の横道孫兵衛は全国獅子舞シンポジウムに研究発表として参加したど。ほだども、全国各地から集まった獅子舞研究者の研究発表には、来歴などのこじつけが目立ったずおな。あたかも日本こじつけ学会会員みてえな人ばっかりだったど。
ただし、沖縄県名護市青年団の琉球獅子舞はダイナミックな動きで、新鮮だったど。こじつけだらけの研究発表より、この実演の方がはるかに値うちものだと思ったど。シンポジウムの終わりに、発表者や実演者が登壇して質疑応答があったど。
司会者が、横道孫兵衛にシンポジウムに参加しての感想を求めてきたど。孫兵衛は正直に「琉球獅子舞の実演が面白がんした。岩手県の山屋田植え踊りには及ばねぇどもなっす」と言ったど。これを聞いた沖縄県の人たち、皆ごしぇだど。今まで、どこさ行っても、「日本一」と称賛されてきたのに、これより上の郷土芸能があるとは信じられねぇ。山屋田植え踊りと勝負する気になったど。
沖縄県名護市青年団の団長、縞男寝兵衛は団員を引き連れて東北新幹線に乗り、盛岡駅に向かったど。そこから全員タクシーに分乗し、紫波町の山屋地区についたど。
「じゃあ、この辺に山屋田植え踊りの庭元の家、ねぇがんすか?」したらば、そこが庭元の家だったど。かか様が出はってきたので、庭元に面会を申し込んだど。そうしたっけぇ庭元が「おまえらが俺に会おうなどというのはなまいきだ」と言って、とりあわなかったど。
そこで縞男寝兵衛は利口なものだから「そんたにごしゃかねぇでくなんせ。わたしらははるばる沖縄県から、日本一の郷土芸能を見せてもらいに来あんした。お礼のかわりに、当地の獅子舞を披露させていただきあんす。どうか、ひとつ見せてくなんせ」と丁重に頼み込んだど。
泡盛とエラブウナギのくんせいをみやげに差し出したずおな。
すると、庭元はにわかに態度変えて「冬のさなかに、わざわざ沖縄からやって来たずうのに、むげに追い返す訳にもいかねぇ。それではべぇっこ見せるから」と言って、山屋田植え踊りを見せることにしたど。
山屋田植え踊りは琉球獅子舞以上に動きが激しくて、はるかに見ばえが良かったど。特になか踊りのダイナミックな動きやカサ振りの華麗さには息をのんだど。団員たちは皆、「これでは勝負するどころではねぇ」と思ったど。
琉球獅子は二人仕立てで、バショウの繊維で獣体をかぶってらったど。その獅子が出はってきて尻尾を振ったら、ネコがはねあがってじゃれついたど。
それを見て、ほかのネコたちも獅子の首の辺りにとびついて、ぶらさがったり、バグバグとかっちゃだど。カシラ持ちは視界をさえぎられて、困ったど。
「こんたなネコたちはわしらの手に負えん。山屋田植え踊りにはとてもかなわん」と言って、急いで新幹線で帰っていったど。
どっとはれぇ
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