2004年 12月 09日 (木)        

■  〈美術〉2つの抽象宇宙 堀合洋美さんと柳田千恵子さん

柳田千恵子さんの「大宇へのおもい 友へ」
【写真】柳田千恵子さんの「大宇へのおもい 友へ」

 盛岡市山岸2丁目の堀合洋美さんと同4丁目の柳田千恵子さんの2人による絵画展は11日まで、同市菜園2丁目のギャラリーラヴィで開かれている。2人は故佐藤繁美さんの絵画教室に通い、知り合った仲。30数年来の付き合いだが、初めて二人展を開いた。堀合さんは重厚感のある抽象画、柳田さんは浮揚感ある抽象画を描いている。

 堀合さんは「古址緑陰」と題した油彩画シリーズ作17点を発表した。50号などの作品の間に今展に向けて集中制作したサムホールサイズの作品が並んでいる。

 中津川の河原をよく歩く堀合さん。ある日突然、護岸の石垣に目が行ったのは5〜6年前のこと。それから石垣を描き出したが「すごく難しいと分かった」。初期のころから次第に具象性が薄れ抽象要素が濃くなった。

 中津川河原がきっかけになったが、旅先でも古城の石垣や石畳にまで目がいくという。しかし、今展に見られる作品は具体的な場所をモチーフにしていない。頭の中で作り上げられた。石垣の要素も次第にそげ落ち、石垣と分かる絵は少ない。季節の要素を色や動きで表し、全般に緑を多く使う絵となっている。

 石垣から「歴史があるもの、石組みの奧の奧に何かがある、欠けた穴の中に何かがある」などと想像を働かせながら描く。緑が使われるのも古い石垣に張り付いたこけから始まっている。筆はほとんど使わず、シェル(貝殻の粒)を混ぜて厚みのある塗りで重厚感や積年の歴史を感じさせる。

【写真】堀合洋美さんの「木の実」

 柳田さんは油彩とアクリルを使って「大宇(そら)へのおもい」と題したシリーズ4作を発表した。「友へ」と付けられた作品は27・3センチ四方のキャンバスに描いた絵9枚を組み合わせた作品。

 友への感謝を込めて描いた作品は、相手の違いにより1枚1枚が異なって感謝の思いが表れる。この人にはこんな色の花をあげたいと自分の中でイメージして生まれた像を表現した。花がモチーフだが、実在の花ではなく、柳田さんの創造した花。花びらだったり花芯(しん)だったり、断片をクローズアップした姿が多い。

 感謝したい相手と「自然の中に咲いている花のように調和が取れて美しい花をとイメージして浮かんできた花」という。タイトルの通り柳田さんの内的宇宙に咲いた花たちだ。

 116・7×90・9センチの3作も見る者に花を想起させる。4年ほど前、個展を開いたころから油彩を使いながら、滑らかで淡い色遣いの傾向が一段と強まったという。アクリルを使い始めたのもそのころから。花の持つ短命の宿命が、タッチにより一層鮮明に浮かび上がってくる。

 二人はグループ展のたびに何かやりたいと思っていたが、なかなか実現できなかった。どちらからともなく誘って二人展を開いた。対照的なタッチだが「一緒に並んでいても変ではない」(柳田さん)、「思い描いたようにしっくりいっている」(堀合さん)と満足。「やって良かった。楽しい」という。


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