2004年 12月 11日 (土)        

■  フィブリノゲン納入記録リスト公表で問い合わせ相次ぐ

 厚生労働省が血液製剤「フィブリノゲン」の製造元・三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)に納入記録が残っている県内83施設を公表したことを受け、納入先として公表された県内各医療機関には10日、患者や家族からの問い合わせが相次いだ。県は「フィブリノゲン製剤の投与を受けた可能性があると思う人は一度血液検査を受けてほしい」とホームページ上でリストを公表し、検査を呼び掛けている。

 ■問い合わせ相次ぐ

 県保健衛生課には午前中だけで50件を超える相談が、患者本人や家族から寄せられた。県立中央病院でも患者や家族から十数件の問い合わせがあったほか、岩手医科大にも十数件、盛岡市立病院にも数件の問い合わせがあった。

 問い合わせは患者本人、家族などで「妊娠、手術を経験したが、感染したのか」といったものが多かったという。ただ、94年以降の妊娠、手術などに対する問い合わせも目立ち、各医療機関、保健所はそれらの対応にも追われた。

 医大、中央病院などは法律で5年とされるカルテ保存期間を10年にしているが、医大は「当時の詳細は分からないし、カルテも特殊な例をのぞき保管期間を過ぎている。当時、インフォームド・コンセント(十分に知らされたうえでの同意)がどれだけ徹底されていたかも分からないので、患者がどれだけ理解しているかは分からない」とし、「感染が心配な人は肝炎の専門医がいる当病院の第一内科で受け付ける」と話した。

 中央病院は「問い合わせは、近年の手術に関するものが多かった。移転前のカルテはないが、カルテがあった患者は医師に確認をし、検査を呼び掛けた」と話した。

 盛岡市立病院では「ここ10年の購入実績はない。数件の相談があったが、ほかの病院で治療を受けた人もいた。肝炎の原因は、フィブリノゲンだけではない。一度、検査を受けてほしい」と話した。

 ■検査を呼びかけ

 フィブリノゲン製剤は、人の血液成分を原料とした医薬品の一種で出産、手術など、大量出血時の止血目的で用いられた。だが、88年(昭和63年)7月以降、「基本的にやむを得ない場合に必要最小限量を使用すること」とされたため販売数量は激減していた。

 しかし当時はフィブリノゲン製剤の原料に混入した肝炎ウイルスを不活性化するための技術が不十分だったため、94年(平成6年)以前に同製剤を投与された人には、肝炎ウイルスに感染している可能性が一般に高いとされ、フィブリノゲンが感染源とされるC型肝炎感染も起こった。C型肝炎慢性肝炎、肝硬変などに苦しむ人が今もいる。

 今回、検査受診の呼び掛け対象者とされたのは、94年以前に公表医療機関で治療を受けた人のうち▽妊娠中、出産時に大量出血をした人▽大量出血するような手術を受けた人▽食道静脈瘤の破裂、消化器系疾患、外傷などにより大量の出血をされた人▽がん、白血病、肝疾患などの病気で「血が止まりにくい」と指摘を受けた人▽特殊な腎結石・胆石除去、気胸での胸膜接着、腱・骨折片などの接着、血が止まりにくい部分の止血などの治療を受けた人−としている。

 公表されたデータは80年(昭和55年)以降のものに限られているため、公表された医療機関以外の医療機関でも、フィブリノゲン製剤が使われていた可能性もあるという。

 公表結果によると、県内の納入先・83機関のうち、13機関が既に廃院されているほか、2機関は施設名不明とされている。

 県はホームページで83医療機関の施設名、所在地、連絡先、医療機関コメントを公表している。県保健衛生課(651−3111)と県内12の保健所では、相談窓口を設置して対応する。

 ■盛岡地区のフィブリノゲン納入病院

 厚生労働省公表のリストから。

■久仁会内丸病院(盛岡市本町通1の12の7)019-654-5331

■山田クリニック(盛岡市中央通1の13の8)019-654-3788 約20年前、購入した事実はありますが、手術の際に使用した事実はありません(廃棄)

■小林産婦人科医院(盛岡市中央通2の10の15)019-622-2339 多量出血等の緊急事態対策の備品として準備していた。実際使用した記憶がなく期限切れのため廃棄していた。

■岩手医科大学附属病院(盛岡市内丸19の1)019-651-5111

■社団医療法人盛岡繋温泉病院(盛岡市繋字尾入野64の9)019-689-2101 メーカーからの納入実績より、1987年以降は納入がありません。

■夕顔瀬産婦人科医院(盛岡市梨木町6の12)019-622-6519

■岩手県立中央病院(盛岡市上田1の4の1)019-653-1151(内線2110)納入記録、投与記録は保管されていないので、当院としては患者を特定して公開することはできません。

■西島産婦人科医院(盛岡市上田1の19の11)019-624-5855 当初は個人病院で、平成4年1月に医療法人として開業しました。その後はフィブリノゲン製剤の使用はありません。

■共生会松園第一病院(盛岡市東黒石野3の2の1)019-662-6111

■医療法人社団高松病院(盛岡市館向町4の8)019-624-2250

■恵仁会三愛病院(盛岡市月が丘1の31の31)019-641-6633(内線122)

■寿康会月が丘医院(盛岡市月が丘3の31の42)019-641-8828

■厨川医院(盛岡市厨川3の12の4)019-641-1256 約10年程前より使用しておらず、在庫もありません。カルテは平成10年以前の分は保管しておりません。

■独立行政法人国立病院機構盛岡病院(盛岡市青山1の25の1)019-647-2195(内線205)

■田村産婦人科医院(滝沢村鵜飼字上高柳62)019-687-1451

■盛岡赤十字病院(盛岡市三本柳6地割1の1)019-637-3111(内線204)

■医療法人友愛会盛岡友愛病院(盛岡市永井12地割10)019-638-2222

■盛岡医療生活協同組合川久保病院(盛岡市津志田26地割30の1)019-635-1305 メーカーによると1984年12月1日から1986年9月30日まで納入されたとの報告あり。カルテ確認されたのは1名。死亡退院されたため、家族への連絡はしていない。

■松栗会西島産婦人科医院(盛岡市津志田21地割24の1)019-638-8766

■医療法人社団愛和会盛岡南病院(盛岡市津志田13地割18の4)019-638-2020 現院長は平成元年9月より勤務しており、それ以前の事は不明。平成元年以後も使用なし。

■医療法人社団松誠会圭友病院(盛岡市津志田12地割18)019-638-7775

■川村産婦人科医院(盛岡市仙北2の12の41)019-636-1536

■盛岡市立病院(盛岡市本宮字小屋敷15の1)019-635-0101(内線2120)

■村井産婦人科外科医院(盛岡市南大通2の4の8)019-654-0155 フィブリノゲン2本使用せず翌日返品(記録として昭和61年3月〜昭和63年6月30日の期間)

■遠山病院(盛岡市下ノ橋町6の14)019-651-2111 納入実績としては1本ありましたが、使用実績は0本で納入年〜63年6月30日までに使用した患者さんはおりません。

■はらた脳神経外科病院(盛岡市神明町10の28)019-624-3110 はらた脳神経外科病院は昭和58年廃院。それまでの記録は全く残っていません。はらた脳神経外科医院は昭和62年新規開設になりましたが、それ以後は使用したことがありません。

■(廃院)及川産婦人科医院(盛岡市本町1の9の10)

■(廃院)室月産婦人科医院(盛岡市高松3の21の1)

■(廃院)山内産婦人科・内科医院(盛岡市茶畑1丁目)

■(廃院)青樹会小野寺医院(盛岡市東見前4地割3の1の1)

■(廃院)川村医院(盛岡市仙北3丁目16の33)

■(廃院)紫波中央病院(紫波町日詰字石田3の2)


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