2005年 1月 7日 (金)        

■  よみがえれ地域の歴史 太田カルテット発祥地で演奏会

太田カルテット顕彰の意味を込めた猪去自治会のコンサートに出演する成田カルテットの4人
【写真】太田カルテット顕彰の意味を込めた猪去自治会のコンサートに出演する成田カルテットの4人

 盛岡市の猪去自治会は9日午前10時半から、「05ニューイヤーコンサート」を盛岡簡易保険保養センター「かんぽの宿盛岡」で開く。猪去地区の旧太田村は岩手の西洋音楽の草分けと言われる太田カルテットを生んだ土地柄。今では地区民でさえ太田カルテットを知る人も少なくなったが、カルテットのメンバーの一人からバイオリンを習った成田浩さんらが弦楽四重奏で演奏をすることになった。音楽ばかりでなく太田カルテットを通じ地域の歴史を見詰める機会となりそうだ。

 元岩手大学教授の成田さん。放送大学で講義していた際、受講生の一人に今月から自治会役員となった山口君子さんがいた。山口さんと成田さんの間で地域の子供たちに生の演奏を聴かせたいと話が持ち上がり、山口さんが自治会の佐々木一弥会長に相談した。

 話を進めるうちに、山口さんは大正時代に結成、活躍した太田カルテットの中心メンバーが地元で活動拠点もあったことなどを知った。さらに縁は異なもので、成田さんは19歳になってバイオリンを弾き始めた時の最初の師匠がカルテットのバイオリニスト赤沢長五郎だった。

 成田さんはアンサンブルミックスという楽団のほか、メンバー有志で結成した成田カルテットでも演奏活動をしている。太田カルテットと同様、弦楽四重奏の構成だった。そこで成田さんは、演奏会には太田カルテット顕彰の意味を込めようと提案。盛岡タイムスで連載し、著書「太田クヮルテット〜岩手の洋楽の草分け」(盛岡タイムス社発行)にまとめた佐藤信夫さん(元教員)が、コンサートで太田カルテットについて講演することも決まった。

 成田さんは「昨年あたりから藤原嘉藤治や宮沢賢治とのかかわりから、太田カルテットがクローズアップされ始めている。地元では赤長さんと呼ばれていたが、赤沢先生から初めてバイオリンを習ったので、縁を感じている。赤沢先生の弟子ということで、最近演奏をさせてもらう機会も増えたと大変喜んでいる。この活動を赤沢先生に知らせたい」と話す。

 成田さんは4年ほど赤沢に習ったが、よく太田カルテットの言葉を聞いたという。しかし、その意義を「はっきり意識したのは佐藤さんの本が出てから」と話す。カルテットはビオラの成田さんのほかバイオリンの佐藤結歌さんと武田利都子さん、チェロの畑村保裕さんというメンバー。

 山口さんは「地区では70歳ぐらいの方からは知っていると聞くが、知らない人が多い。素晴らしい音楽に触れながら地域の歴史を伝えたい」と願う。

 地区の公民館行事としても行われ、会場の同センターが共催。子供たちは無料で、この日は午前10時から午後1時までの入場に限って同センターの日帰り入浴料の半額300円で入浴もでき、演奏も聴けるサービスをする。130席ほどで地域住民以外でも希望者には席に余裕がある限り入場できる。


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