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細部までこだわった50分の1の岩手銀行中ノ橋支店を作り上げた(左から星隆徳君、藤沢卓也君、石羽根一政君、小原雄一君、向井翔君、鎌田淳一君) |
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県立盛岡工業高校建築科の3年生6人は、昨年6月から卒業制作としてミニチュア模型の制作に取り組み、約50分の1(縦55センチ、横60センチ、高さ50センチ)の岩手銀行中ノ橋支店を完成させた。細部までこだわり抜いた完成度の高さから、県高校工業クラブ連盟生徒研究発表会・作品展示部門で、盛岡工では10年ぶりとなる最優秀賞を受賞。6人は「3年間の集大成。最高の思い出になった」と喜びを話している。
中ノ橋支店の建物は、1911年4月に完成。東京駅を設計した辰野金吾、本県出身の葛西万司が設計した。小口積みの赤れんがと白い花こう岩との対比が特徴で、1994年には国の重要文化財に指定されている。
建築科の卒業制作として同支店のミニチュア模型に取り組むのは、2年目。国の重文で現在も銀行業務を続けている関係から、詳細な資料集めが難航したため、昨年の3年生はミニチュア模型作りを断念せざるを得なかったという。
そこを引き継いだのが、今の3年生6人。先輩が集めた約50枚の写真や岩手銀行から借り受けたコピー図面、自分たちで撮影したビデオなどの資料をもとに昨年6月、ミニチュア模型作りを始めた。
苦労したのは「赤れんがと花こう岩の質感を出すこと」。外壁の板を茶色に塗れば、完成は早まる。だが、それでは、赤れんがが醸し出す建物の重厚さが表現できない。何度も話し合いを重ねた結果、角材を積み上げて赤れんがを表現する方法を選んだ。
れんがは、厚さ2ミリの横長の角材に何種類もの「茶」色を塗り分けて作る。れんがとれんがの間には白いケント紙を挟み込んで、横目地として、上に積み上げていく。最終的に積み上げたれんがの層は、60以上。縦の目地は、手書きだが、横目地とれんがの列の色合いが微妙に違うため、本物さながらの重厚感が出たという。
建物のシンボル・ドーム屋根、寄せ棟屋根、マンサード屋根もこだわった部分の一つ。天井部分にあたるマンサード屋根は、図面が見つからず、付近のビルの屋上から撮影したビデオでイメージを練った。筆ではなくエアブラシを使って着色することで、屋根に押された銅板の青さび色に近づけた。
避雷針、ベランダの手すり部分など細部の装飾品は、ラジオペンチやピンセットを使って作成。寄せ棟屋根上部の装飾品には、翡翠(ひすい)を使ったほか、建物の周辺の木々には、海藻を使ったりと、自由な発想を出しあった。
リーダーの石羽根一政君は「模型を作るまでは、正面玄関のドームのイメージが強くて、あまり感じなかったけれど、思ったよりもずっと奥行きがあって大きな建物だと実感できた。当時の設計図を見ると現代の建築よりもずっと、かっこよさを追及していると感じる。夏、冬休み返上で取り組んだおかげで、かっこよく仕上げられました」と話した。
建築科の佐々木光男教諭は「質感にはこだわれと厳しく指導したせいか、完成度が高い作品に仕上がった。本県出身の葛西万司が設計にかかわったことなど、歴史の面でも勉強になったようだ」と話した。
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