昨年12月にあった第1種電気工事士資格試験に盛岡工電気科から12人の合格者が出た。これまで県内の高校では、大船渡工が過去に出した10人が最高で、県の最高記録を更新した。飛躍を遂げた背景には「ジュニアマイスター顕彰制度」への取り組みがあったという。
制度は全国の工業高校の校長で組織する同校長会が「職業資格の取得を通じて工業に関する知識などを修得し産業界で活躍してほしい」と01年に創設した。マイスターは匠という意味のドイツ語。工業高に通う生徒が職業資格を取得すると、難易度に応じた点数を獲得でき、30点以上でシルバー、45点以上でゴールドとして顕彰される。
例えば日本語漢字能力検定3級は難易度Eで配点2点、危険物取扱者乙種4類が難易度Dで4点などとなっている。
電気科2年の担任の鳥居郁夫教諭がこの制度に着目。昨春、2年生の全生徒に示したところ「目的意識が芽生えたようだ」という。
1種電気工事士資格は経済産業省の国家資格。試験は筆記のほかに実技もあり、マイスター制では難易度A、配点20点にランクされている。試験の合格率も3割以下という難関資格だ。
電気科では数年前から漢検、危険物乙4類、計算技術検定など各種資格を授業の一部で扱っている。
宍戸豊治電気科長は「資格取得は就職に直結する。マイスターは生徒にもはっきりとした目標ができるので頑張りやすい」と制度導入の意図を話す。
今回の1種の合格者は2年生8人、3年生4人。マイスター顕彰に取り組んだ2年生の躍進が光る。電気科ではほとんどの生徒が2種、乙4などの資格に挑む。そのため上位の資格へ向けた取り組みに自主性が出るのがマイスター制導入の大きなメリットという。
1種の実技試験は渡された回路図を時間内に作らなければならないため、工具の扱いに熟練しているかが合格のポイントだ。
宍戸科長は「工具を持ったことのない生徒が実技で合格するのは、かなりの練習が必要。筆記の合格を待って放課後や土日に工具の使い方を教えたが、2種の下地があった分、1種の飲み込みはよかった」と上位資格へつながるマイスター制の利点を評する。
マイスター制で最も難易度が高いSに指定されている、電気主任技術者3種の配点は30点。
中野潤也君(2年)は「2年の春に2種を取って1種を目指した。来年は電験3種を目指します」と、さらなる上位資格への意気込みを話した。 |