2005年 2月 7日 (月)        

■  児童書専門店のリニューアル話に愛好家ら心配顔 店長に聞く

     
  さわや書店MOMO岩橋淳店長  
 
さわや書店MOMO岩橋淳店長
 
  盛岡市大通2丁目のさわや書店MOMO(岩橋淳店長)は、1994年の開店から10年を経過した。1階は絵本などの児童書、2階は漫画という品ぞろえで、県内唯一の児童書専門店として広く親しまれてきた。建物は賃貸契約だったが、昨年12月にさわや書店(赤澤桂一郎社長)が買い取り自社物件になった。これによって売り場の改変が現実味を帯びてきた。専門店としての機能を見直すのかどうか。絵本愛好者の間からは「絵本専門店をなくさないで」という声も聞かれる。開店5カ月目から店長を務めてきた岩橋さんに思いを聞いた。

 以前東京の書店に勤務していた岩橋さん。ちょうどバブルがはじけた直後、専門店以外の一般の書店からは子供の本が消えかけていた。

  「未来の読者を育てる」という商売上の理由以外に「幼いころの本との出合いが決めるものもある」と強く思った。「本屋である以上、社会的な責任がある」と、児童書の充実を決意。住宅地という立地条件も手伝って、本格的に手掛け始めたころ、MOMOへの勤務が決まった。今振り返れば導かれたのかなとも思う。

  着任当初、2階は現在と同じだったが1階の奥の部分は文房具売り場だった。「専門店という看板を掲げてのスタート」に恥じないように、徐々に児童書を拡大。自身もスタッフも勉強しながら試行錯誤を繰り返し、客からのしった激励も受けながら3年後には現在のスタイルに落ち着いた。

  10年間で県内の子供と読書を巡る環境も大きく変化。絵本を介して赤ちゃんとのコミュニケーションを図るブックスタートが浸透し、学校での朝の読書も普及。全国的にも一般書の作家が児童書の世界に進出したり、有名作家や女優による読み聞かせも増えてきた。

  その流れの中で、遠くから訪れる人や常連客も増え、県内で読み聞かせの活動を行っている人たちからも信頼を寄せられるまでに成長。同店の存在が、地域にとっても子供と本の関係を問い直す刺激になったと自負している。

  現在、店内には児童書だけで6千から7千冊を陳列。「仮面ライダー」などテレビ番組の本も扱っていることに対しては、顧客から「専門店なのに」としかられることも。「『仮面ライダー』を目当てに来た子供でも、店内でほかの本に気付くかもしれない。一人でも二人でもそういう子供が増えてくれれば」と願う。

  小学校時代から同店に通っていた女子中学生が、自由研究で同店のことを取り上げてくれたことも。「そういう女性が母親になって、また子供を連れて来るというサイクルで考えたい」と思っている。

  児童書にかかわって痛感したことは「本を手に取ってもらうことの大切さ」。一般の本では背表紙を見て選ぶ楽しさもあるが、児童書では表紙が与える印象が大きい。なるべく表紙が見えるような陳列をスタッフにも徹底してきた。

  今後について赤沢社長は「買い取ったことで建物の制約がなくなった。何でも自由にできるようになったということ。これからどうするかは未定」と話す。

  岩橋さんは「児童書の扱いをやめるわけではない。本を手渡す役目は続けていくので子供の本の相談を受ければ、それなりの対応はできると思う。場面に応じてこの10年間でやってきたことを生かしたい」と意欲を語った。


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