2005年 3月 3日 (木)        

■  〈お父さん絵本です〉47 岩橋淳 「どうぶつさいばんライオンのしごと」

 自然界は、弱肉強食。強いものが残り、弱いものは消えていく。…この「弱肉強食」ということば、血も涙もない、勝ったものがち、というイメージで一人歩きをしてしまっているのでは、と思うことがあります。だってその通りじゃんという方、この絵本を、ぜひ。

  作者・竹田津実さんは、野生動物の代弁者として発言を続けてきた獣医師。動物園で25年の経験を積んだあべ弘士さんと組んで、動物たちの声が再現されます。

  母親を殺されたヌーのこどもが、狩りをした母ライオンを訴えます。母を失った子の嘆き、子を養うために狩る母。双方に弁護人が立ち、証人調べが始まります。動物たちの言葉の一つ一つは、素朴ながらも真摯(しんし)なもの。そして浮き上がってくるのは、自然界のバランスについて。獲物を狩らなければ生きてゆけないライオンが担っている役割は、さいごには皆が繁栄するために必要なものなのだ、ということなのでした。そして、判決…。

  広大なサバンナを1千年の長きにわたって見守り続けてきたイチジクの木の下、生きとし生けるものたちの、厳粛かつ気の遠くなるようなドラマは、今も続いているのです。(あべ弘士さんの講演会が3月6日、盛岡市中ノ橋通・プラザおでってで開催されます。詳しくは019−623−4422、さわや書店MOMOまでお問い合わせください)

【今週の絵本】『どうぶつさいばんライオンのしごと』竹田津実/作、あべ弘士/絵、偕成社/刊、1470円(税込み)7歳〜


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