2005年 3月 4日 (金)        

■  〈続フランス見たまま〉254 小野吉郎 「新婚旅行はどこへ」

 ヨーロッパ人が夢に抱く新婚旅行地はどこか。昔は貴族や金持ちしか遠くに出かけなかった。19世紀には一般庶民はパリの郊外を散策するだけだった。

  多少ゆとりのある家庭の人々は列車でスイスに出かけた。しかしその後スイスはいつの間にかヨーロッパで一番物価の高い国になり、その上雨が多い。よほどの登山好きかスキーをするためなら別だが。

  ニース
  これからヨーロッパ人の三大新婚旅行地の話をしましょう。第一番にあげたいのは、ニースとコートダジュール一帯。カンヌはホテル代が割高だから、割安のニースを中心にコートダジュールを一巡するのもよい。

  アンテイブ、モナコ、モンテカルロ、エーズ村、マントン、それに山寄りのヴアロリスヤサンポール、グラースなど名所にこと欠かない。2月のニースの謝肉祭のカーニバルは有名。

  ベネチア(ベニス)
  水の都として有名で、古くからヨーロッパ中から人が集まった。日本人の観光客たちは時間に制約されるから一日くらいの滞在の駆け足旅行で、代表的な名所を見て終わり。翌日はフィレンツェとか、ローマに向かう。

  ベネチアの奥深いよさを知らずに素通りする。ところがヨーロッパ人は距離が近い上、たびたび同じ所に行けるチャンスと、長い休暇があるので、もっと長期の滞在をする。

  例えばベネチアに一週間滞在する。そのかわり名所を丹念に見るし、二流の名所でもそれなり詳しく見て回る。市内に限らず、船に乗って近隣のリードの海水浴場や、ガラス工芸の工房のあるムラノにもたっぷり時間をかけて見て回る。

  ストレーザ
  北イタリアのスイス国境からも、ミラノからも近く、郊外電車でも行ける。いわば夏はイタリアの軽井沢で、夏は涼しい。冬にはウインター・スポーツの基地。スイスと景色が似ているので、無理して物価高のスイスに行く必要もない。それにサービス面でイタリア人の方がすぐれている。

  かつて1920年代にはドイツ人、オランダ人、ベルギー人などがよく来ていた。ハンブルグやアムステルダム発の夜行寝台列車が、スイスのシンプロン大トンネルをぬけると、イタリア側の明け方のストレーザに到着し、列車はミラノが終点だ。

  ストレーザはマジヨル湖に面した風光明美な土地でホテルも多い。しかしフランス人だったら、もっと近くのアヌシー、エビアンなどの湖のある同じアルプスに行ける。

  若いフランス人はどこに行く
  冒険好きな若者たちは、もっと遠くインド洋のセーシェル、レュニヨン、モルディブといった島々で原始的生活に帰り、スカイダイビングを楽しむ。


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