| |
|
|
| |
 |
|
| |
嶋屋基子さんと「これこれおひさま」 |
|
滝沢村の嶋屋基子さんの書展が8日まで、盛岡市中央通1丁目のエスポワールいわてで開かれている。友人の小野寺悦子さん=盛岡市=の詩集「これこれおひさま」(のら書店)の詩を題材にした作品や、自身が焼いた陶板を書と組み合わせたものなど37点の作品が展示されている。
子供が太陽に向かって話し掛ける内容の表題作「これこれおひさま」では、その純粋な言葉を優しい仮名で表現。画面上方に大きく取った余白と、全体に配した赤い線が、山の端に沈もうとする夕日の存在を意識させる。
詩作品はこのほか4点の大作と、はがきサイズに書いた小品を出展。今回は子供の詩なので読める字体で制作したが、文字同士をつなげる連綿をしたり、万葉仮名を使った仮名作品としても取り組んでみたいと思っている。
陶板を使った作品は7点を出展。土の色を生かし、ところどころを色の付いた上薬で彩色した陶板を最初に制作。そこからイメージを膨らませ、紙の上に配置して書を組み合わせている。
「歯」は逆三角形に切り抜いた中央部や周辺に象形文字の「歯」の文字をたくさん配した作品。「ひかり」は縦画面の上方に陶板を配置。板をくり抜いた3つの窓からは、朱色の紙に平仮名で書いた「ひかり」の3文字が見える。画面下から上に向かって墨の線を引き、光源に向かってまっすぐに進む道を描き出した。
象形文字の作品も多く出展。「宙」ではたっぷりと墨を含ませて書いた文字の周りに、太い筆のかすれを使った線を配置。大胆に流した線は大気の流れや空間の広がりを感じさせる。「月」は淡墨で書いた文字を囲むように、より薄い墨で外側に向かう線を引く。細い筆で描き出した光の輪は、月光の柔らかい雰囲気を伝えている。
一般的な書道ではなく、文字の概念を超え、より創造性を追求する「墨象(ぼくしょう)」を制作してきた嶋屋さん。今回は久しぶりに文字に取り組んだ。「普通の文字は見てわかり、空間もそれなりに決まってくるが、特に象形文字では形そのものが違うので、違う空間が出る」と話していた。午前9時から午後5時まで。
|