2005年 3月 12日 (土)        

■ 〈阿部陽子の里山スケッチ〉5 岩山(いわやま、340メートル)

     
  岩山  
     

 雪山ビギナーにも安心な岩山を、盛岡市民なら知らない人はいない。運動不足になりがちな季節、縮んだ体をウオーミングアップしたい…そんな心境になると、まっ先に思い浮かぶのが岩山である。

  登り口は、山王小学校や城東中学校の先、あるいは漆芸美術館前(旧橋本美術館)など数カ所あり、組み合わせていろいろメニューを楽しめるようになっている。今日は午後からお天気が崩れるはず。ふだん万歩計をつけて歩くという直枝さんと一緒に、周辺マップと温かい飲み物をもって岩山に向かった。

  国道4号茶畑交差点から国道106号の宮古方面に入って二つ目の路地を左折し、山王小学校手前の細いY字路を右に600メートルほど上がって行く。看板「登山道入り口」近くに車を止め、山頂までの1キロを大切に歩くとしよう。

  不来方城からみて真東3キロ、朝日出ずる方向に位置する岩山は、かつて漆黒の森の始まりだったという。しかし今は雑木のほか、松・杉・カラマツ・桜の植林が目についた。標高200メートルの巻き道に上がってしまうと一気に静寂の世界へ。もはや小鳥のさえずりしか聞こえない。

  ショウビタキ、モズ、ヨタカ、カシラダカ、カワラヒワなど、野鳥の絵をあしらったルート板に従うと、一羽ずつ姿を覚えられる仕組みになっていた。鳥の種類にうといわたしでも、しっかり確かめられて心強い。頂上には50分ほどで着いた。

  広い岩山の頂上圏には、鹿島精一記念展望台・レストラン(冬季閉店)・駐車場・トイレがあり、「岩山愛鳥の森」にちなむ探鳥路が展望台の脇からぐるっと回っている。なお、国土地理院は三角点を改測中だとか。山名の由来である「大岩」は雪に埋もれて見えなかった。

  中腹に点在する岩山漆芸美術館・盛岡市動物公園・岩山パークランド、そして「昭和の一心太助」中野崎寅吉さんが平和を願って築いた四季園(よきえん)にも、開園を確かめて寄ってみよう。また、橋本八百二画伯は「岩手山朝陽」を岩山付近で描いたという。先人たちの情熱で、この山は温かく包まれている。

  ピカイチなのが岩山展望台からの眺望。わずか標高340メートルでありながら、城下町盛岡の全容をつかむ絶好のポイントだ。特にバイオレットに暮れなずむころ

−−そう、映画「未知との遭遇」(スピルバーグ監督)にそっくり。

  朝な夕な、展望台からの大スペクタクルをぜひともご覧あれ!「宇宙からのメッセージ、ほらっ、聴こえてくるでしょ?」
(盛岡市在住、版画家)


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