2005年 4月 5日 (火)        

■  雫石スキー場を守れ 存続信じて町は要望活動

     
  今冬シーズンを終え春・夏シーズンを迎える準備中の雫石スキー場  
 
今冬シーズンを終え春・夏シーズンを迎える準備中の雫石スキー場
 

 西武グループの全国にある85施設が売却、撤退の対象となったとの一部報道について、雫石町の中屋敷十町長は4日、同町議会議員全員協議会で「来町したコクド関係者から決定事項ではないと説明を受けた」と説明し、既成事実ではないことを強調した。「大変厳しい状況にあるとは思うが、存続を要望し、存続してもらわなければならない」と議会へ連携を呼びかけた。

 町によると、コクド関係者は売却・撤退の報道があった先月29日、同町役場を訪れた。西武グループ経営改革委員会(委員長・諸井虔太平洋セメント相談役)が同25日にまとめたグループ再建策の最終報告の説明が当初の目的だったという。

  この中で「売却、撤退が決定した個所はない」とし、コクド、プリンスホテル、西武鉄道が連名で報道を否定する声明を挙げたことを説明した。

  町を訪れる前に増田知事にも接見し、同じ趣旨で説明をしたとみられる。1日には雫石スキー場の今泉芳幸支配人が同町役場を訪れ、売却・撤退が決定ではないこと、経営状況を説明しながら存続が可能だと中屋敷町長へ伝えた。

  コクド側の説明では、最終的な決定は、今年5月に西武鉄道社長に就任予定の後藤高志特別顧問(元みずほコーポレート銀行副頭取)ら新経営陣の判断に委ねられる。後藤氏は既に全国の施設へ現地視察に入っている。対象施設が確定するのは新体制が確立する年明けか、再編スキームの固まる年度末まで流動的な状態だ。

  中屋敷町長は「雫石は交通の利便性もよく、エリアとして競争の激しいところ。それゆえ付加価値も高いとみられていて、経営状況はよいとの情報も見せてもらった。一安心だが、新体制が発足してから存続を要望し、県の力を借り、関係する町とも連携し、随時情報が入り次第説明したい」と町議に話した。

  雫石スキー場、プリンスホテルは3日で冬シーズンの営業を終了した。15日にはホテル、16日にはゴルフ場で夏シーズンの営業を開始する。施設入り口に看板を掲示して利用者や地元にPRしている。

  今泉支配人は「経営改革委の再建計画は今後新会社になって検討しなければならないプラン。春、夏の営業、来シーズンの営業を続けていくための計画を進めている最中。準備は今から始めなければ間に合わない。客の受け入れ体制も構築している」と話している。

  町内の関心も高まっている。施設周辺には民宿やペンションが多くある。小岩井農場を含め観光客が年間300万人訪れる同町にとって、スキー客の来町は町全体の活性化に欠かせない。

  同町西根上篠崎の民宿しらかばの山本善隆さん(65)は雫石スキー場の元従業員。プリンスホテルができる前は堤義明氏が「もちを食べたい」と立ち寄り、グループ幹部が宿泊していたという。

  「スキー場のお陰で宿泊施設が稼働し、通年働いている人もいる。撤退するにしても大変な金がかかるだろう。存続してほしいし80%以上はなくならないと思っている」。

  同町長山の民宿経営者は「宿泊効果は少ないが、町の税収など活性化にかかわること。町内では存続の思いが強いし、わたしは存続されると確信している」と言い切る。



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