2005年 4月 6日 (水)        

■ 発熱で体温保つ 岩手大植物園でザゼンソウ咲く

     
  岩手大学附属植物園に咲いているザゼンソウ  
 
岩手大学附属植物園に咲いているザゼンソウ
 
  盛岡市の岩手大学農学部附属植物園内で2年前に株を移植したザゼンソウが開花し、早春の風景をつくっている。花は10株ほどで現在、雌期にあり気温より高い体温を保つ発熱活動をしている。発熱は今週いっぱいは続く見込みという。

  ザゼンソウは早春を告げるサトイモ科の発熱植物。発熱植物は自ら熱を作り出す。サトイモ科の仲間やハスが知られている。ザゼンソウは氷点下環境でも開花し、発熱によって周囲の積雪を解かすため、雪解けの時期にいち早く見られる。

  同地のザゼンソウは同大学寒冷バイオシステムセンターの伊藤菊一助教授の研究班が2年前の4月、長野県白馬村の群生地から譲り受け、十数株を同園の湿地植物エリアに植えたもの。昨年春も開花したが小振りで、今年になって人々に見てもらえる大きさに成長したという。

  分子生物学、システムバイオロジーが専門の伊藤助教授は、ザゼンソウを模倣した温度制御アルゴリズム(算法)の開発とその生物系発熱制御デバイスへの応用が目下の研究テーマ。伊藤助教授の研究班は、04年度に採択された文科省の研究拠点形成費補助金を受けられるCOEプログラムにも組み込まれ、ザゼンソウの発熱現象の解析と、工学系研究との共同による恒温維持機構などの生物原理に基づく工学的デバイスの開発を目指すなどの研究を進めている。

  研究班では開花期に白馬村に研究室を移動して観察してきたが、身近での観察のため同園に株を移植した。開花したザゼンソウには、4日から温度測定器が接続されザゼンソウの温度変化を記録。盛岡はこの時期、朝は零度前後、日中は10度程度の気温だが、同園のザゼンソウは平均して20度前後の体温を保っている。

  ザゼンソウは3〜4月の開花期、褐色の仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれたこん棒状の器官、肉穂花序(にくすいかじょ)に白い小さな花をたくさん付ける。発熱は肉穂花序に起きる。伊藤助教授によると、発熱は雌期だけで1週間ぐらいあとに花粉が出てくる雄期に性転換すると終わるという。

  花期が終わると、大きく成長する緑の葉で活発に光合成。でんぷんを地中で50センチを超えるほどに伸びる根に蓄える。このでんぷんを春先、発熱に使うことが分かった。

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