2003年6月に登校中の交通事故で亡くなった滝沢小学校1年下田昴生君=当時6歳=の遺族が5日、同小(佐々木政人校長、児童858人)に、交通安全への注意を喚起する、のぼり旗などを寄贈した。昴生君の生きた証として、地域全体で交通事故防止が図れればとの願いが込められている。
この日は、昴生君の父親の栄さん(43)、母親の芳枝さん(39)、姉で同小4年の有希さん(9)が同校を訪れ、佐々木校長に交通安全を呼び掛けるのぼり旗60本、垂れ幕6枚、たすき30本を寄贈。校外指導を担当するPTA役員や村の交通指導隊員、教職員ら約30人も同席し、尊い命を事故から守ることを誓いあった。
寄贈式のあと、事故現場となった交差点に赴き、ドライバーや歩行者の目に入りやすい位置に、のぼり旗や垂れ幕を設置。昴生君のめい福を祈りながら、交通安全への思いを新たにした。
PTA役員らと一緒に、のぼり旗を取り付けた芳枝さんは「事故の時は小学校にも大変、お世話になった。息子が生きた証を何か残してやりたいと考えた。学校が頑張って交通安全に取り組んでいることが分かれば、地域の人も協力してくれるのでは」。栄さんも「事故をなくす一つのきっかけになれば。滝沢小学校だけでなく、村全体に交通安全の意識が広がってほしい」と願った。
昴生君は滝沢村滝沢字土沢の県道(主要地方道盛岡環状線)の十字路交差点で、信号待ちをしていた際、縁石から誤って道路側に転倒、路線バスにひかれた。交差点付近は交通量が多く、特に朝は近くの滝沢小中学校に向かう児童生徒であふれ、以前から危険性が指摘されていた。
事故後、バス会社は児童生徒がひんぱんに乗り降りする県道沿いのバス停留所を比較的安全性の高い、ふるさと交流館内の駐車場に移動。道路も局部的に改良工事が行われている。少しずつ交通環境は改善されてきたが、事故の危険とは常に隣り合わせの状態が続いている。7日に始業式、8日に入学式が開かれる同校では教職員や父母らが通学路の要所、要所に立ち、登下校時の交通安全指導に力を入れるという。
佐々木校長は「いよいよ新学期が始まり、新入生も迎える。自分の命は自分で守らなければいけないということを徹底したい」、三田地芳敬PTA会長は「常に地域が目を光らせ、注意を喚起していくことが大切だと思う」と話していた。
|