2005年 4月 9日 (土)        

■  〈美術〉存在のぬくもり 池田次男遺作展

     
  「民家」(1980年)  
 
「民家」(1980年)
 
  2000年に62歳で他界した花巻市の画家、池田次男さんの遺作展が10日まで、盛岡市盛岡駅西通の市民文化ホールで開かれている。1960年代から遺作まで、油彩やスケッチを合わせて104点が展示されている。

  同展は妻の洋子さんと娘の喜古起子さんが企画。遺作展としては02年の花巻市、04年の東京銀座に続き3回目。生前は年に2回、盛岡市と花巻市で個展を開いていたという池田さん。盛岡で作品が紹介されるのは00年の個展以来となった。

  抽象画が中心だった60年代から、失われていく曲がり屋をモチーフの中心に据えた80年代。晩年は近くの川や田園の風景のほか、花や旅行先の風景や人物も多く描いた。

  曲がり屋は川井村や大迫町、遠野市などで取材。年に4回は必ず同じ場所を訪れて、四季折々の風景をスケッチや写真に残し、それを基に油彩を制作してきた。

  晩年の作品は、画面いっぱいに水面を切り取ったり、落ち葉だけをアップでとらえたりと、斬新な構図の作品が多い。「普通の人の目の触れないところ、日の当たらない場所が好きだった」と洋子さんが言うように、具体物を通して自然の成り立ちにまで思いをはせたような、作家の心情が感じられる。

  00年の11月末に予定していた展覧会の直前に他界した池田さん。最後に手を入れていた作品「土手の唄」は、アトリエで制作していた当時の状況のまま展示。大型のイーゼルに立てられたキャンバスの前には、使っていたままのパレットが置かれている。雑草の生い茂る中、画面手前に咲くかれんな花が生き生きと描かれている。

  洋子さんは「花巻で行った遺作展では5日間で1300人に来ていただいた。盛岡の人にも、ぜひ見てもらいたいと思って今回開催を決めた。アトリエはそのまま残してあり、1000点以上にのぼる作品は、家族で今も整理を続けている。折に触れ、これからも紹介したい。来年は7回忌を記念して作品集を出せればと思う」と話していた。

  38年北上市生まれ。55年県立美術工芸高校卒業。57年自由美術協会展初入選。61年まで出品し退会。65年新象作家協会展入選。69年新象展佳作賞受賞会員となる。70年まで出品し退会。77年安井賞候補展出品。85年県優秀美術選奨受賞。

  午前10時から午後6時(最終日は同5時)まで。


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