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「シラネアオイ」(水彩) |
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盛岡市の藤井勉さんの近作展「魅惑の大地」が13日まで、盛岡市菜園1丁目の川徳5階ギャラリーカワトクで開かれている。2003年から現在までの作品約30点が展示されている。
モチーフの中心となっている植物は、自身と家族が育てているもの。「野をつくろうとしている」というように、自宅に日本の里山を再現。グミやアケビ、ノイチゴなど、自身が幼いころに遊んだ里山に自生していたものを育てている。
植物をつぶさに観察し、生態を知ってこそ描ける絵。「都会から来て描く人よりも、絶対おれの方が描けていると思う」という自負がある。
特に好きなのは、花びらが透けるように薄い花。切るとしおれたようになるが、水に挿すとすぐに張りを取り戻す。「弱いように見える花の中に、人知れず確かなものがある」。
今展には水彩画も多く出展。スケッチに薄く彩色したような作品が多い中「きちんとした絵にしたい」と、紙にもこだわり細部まで描き込む。光が織りなす微妙な明暗や揺らぎまでが画面の中にとらえられている。
水彩は「人の力が及ばないもの」と思う。絵の具が乾くまでの天候や大気の条件によって、紙の上に表れる色が違う。「どの色が定着するかは神様が決めるもの。人が全部支配できると思うのは間違い」と、制作を通して自然への畏怖(いふ)を新たにしている。
娘たちの姿をモチーフに多くの作品を描いてきたが、自身の作品を貫くのは「人ってかわいそう」という思い。「生まれた瞬間に死ぬことが運命づけられている生だからか。どんな人でも、一人でたたずんでいるのを見ると、かわいそうだと感じる」と言う。
人物や植物などモチーフは違っても、常に「おれ自身の心を描いている」と言う作品には、それぞれに宿る限りある生命への賛歌が描き出されている。
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