2005年 4月 11日 (月)        

■  増田県政発足10年、消えた根回し政治 県議会古参議員に聞く

     
  就任10年を経た増田知事と県議会(2月定例会最終日)  
 
就任10年を経た増田知事と県議会(2月定例会最終日)
 
  増田知事は1995年4月の初当選から10年目を迎え、3期目の折り返しに入った。県議会は次期統一地方選に向けた政局の胎動が始まっている。政治的な生みの親である小沢一郎民主党副代表は増田知事の4選を認めない考えを明らかにした。知事与党を自認してきた無所属会派政和会も議員の首長選への転出などで勢力を縮小しつつある。県議会と執行部の間は競馬問題など相次ぐ議案の否決で緊張関係が高まっている。難しいかじ取りを迫られている増田知事と、議会のキーマンたちは今後どう向き合うのか。古参議員に聞いた。

 佐藤正春氏(自民ク)=6期=は「これまでの知事は千田さん、中村さん、工藤さんと良くも悪くも結果を出してきた。政治家は結果を出さなければ。増田知事が結果を出せないのは残念。国から金が来ないと言うかもしれないがハコモノだけが結果ではない。頑張らない宣言も結果を出さないから批判を受けた」と一貫して手厳しい。

  半面、議会対策では増田知事を評価する。戦後初の知事提案否決となり、県議会運営の潮目を変えた資産公開条例案について「条例で決めることではなくモラルの問題」としながら、「知事は根回しをしないのはいいところ。昔は根回しが自社なれ合い政治の中で行われ、議会中は毎晩飲んでいた。だから透明性は高まっているが、増田知事もいきなり出すものだから否決される」。いわゆる55年体制との決別には拍手を送る。

  吉田洋治氏(政和会)=5期=は「3期目になって知事への風当たりが強くなってきたのは資産公開条例案に端を発している。ふれあいランドや森のトレーなどでも厳しい指摘があり、非常に強い風当たりが顕著に出てきたのが岩手競馬だ。折り返しで課題が山積し、特に出資法人問題が課題の多くを占めている」と話し、擁立から支えてきた立場で県政運営をおもんばかる。

  吉田氏自身が出身地から宮古市長選への出馬要請を受け、出処進退の判断を迫られている。政和会は5人のラインの交渉会派要件を維持できるか微妙な情勢になっている。

  県議会対策については「各会派とも是々非々の立場で政和会も資産公開のときは是々非々になっている。チェック機能は相当、強化されてきているのではないか」。

  県議会は自民党分裂から党派抗争が激化して会派は離合集散し、数多くの議員が退場していった。「多選議員が少なくなり1期2期の議員が増えてきた。取りまとめ役も必要だ。結論を出す調整能力では正副議長と多選議員の存在が大きい。議会と執行部が車の両輪なら事前協議の必要もあるし、代表者会議の活用も必要」と指摘。会派関係を横軸に、世代間で縦の意思疎通が必要な場面が増えていることを感じる。

  小原宣良氏(社民)=5期=は、増田知事の県議会対策について「根回しとは違うと思うが、事前説明がなくなり勢い説明不足が出ている。緊張関係があり中央に行って全国知事会で名をはせたのはいいが、地方分権の推進の観点から行くと在庁時間が少なくなり、打ち合わせと政策協議が不足している。知事の意思がきちんと伝わってきているか若干、懸念する点はある」とクギを刺す。

  労働界とのかかわりについては「中村・工藤時代よりは連合や県労組センターを通じて近くなった」と話し、増田知事のバランス感覚は評価する。

  渡辺幸貫氏(民主県民会議)=3期=は「わたしが最初に来たときは自民党が大会派で1、2、3期の差は学校の上級生の差に等しかった。今の議会は1年生が気を遣って発言する雰囲気は弱まり、おのおの意見を言える環境になってきている」と話し、1期のブランクを経て増田県政のもとで県議会の体質が変化したことを実感している。

  議長の藤原良信氏(同)=5期=は「議長になって2年。議会改革検討委員会を立ち上げて成果を上げるよう実行してきた。決算委員会の成果を踏まえて次の予算に反映させるように10月末にも会期を組んだり、予算がどう成果を生むか県議会にも成果主義が求められる」と話す。増田知事ら執行部に対しては「是々非々で」と主体性を強調する。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします