さあ、新学期。はい、みんな並んで並んで、いざ学校へ。でも、ところ変われば…?
今週の1冊は、1年間学校を休んで海外を巡業した旅芸人の女の子の物語。故郷アメリカを発ち、イタリア国内を巡った主人公(作者)は、当時7歳。両親が作った人形劇団の一員として、幼い妹と一家4人での旅暮らしです。初めての外国。見るもの、聞くもの、すべてが初めて。ちょっぴり不安もあるけれど、作中「かいだことのない におい」と表される異国情緒やサーカス団員との交流、寝泊まりするトラックの中のできごと等々…。めくるめく「非日常」の連続に、その日のことを日記に書きとめる彼女の筆もはずむのです。
この作品と接して、いい、わるいではなく、「学校が主、生活が従」的なニッポン型と、「生活が主、学校は従」的な西欧型(もちろん旅暮らし、は特殊な部類でしょうが)の発想や人生観の違いについて、考えさせられることも。しかし、商業ベースの軽薄な「思い出づくり」など足許にも及ばない(もちろん「リスク」込み)体験を得ることのできる幸福こそ、生きていく上での大きな糧になることは間違いないでしょう。
【今週の絵本】『私が学校に行かなかったあの年』G・ポター/作、おがわえつこ/訳、セーラー出版/刊、1575円(税込み)7歳〜 |