2005年 4月 15日 (金)        

■  世界の風を岩手に吹き込む 県立大学の谷口学長が初講義

     
  県立大の教壇に初めて立った谷口誠学長  
  県立大の教壇に初めて立った谷口誠学長  
        4月から県立大の学長に就任した元国連大使の谷口誠氏が14日、県立大で初めて教壇に立った。冒頭に「きょうは、学長ではなく1人の先生として立っている。先生にチャレンジするつもりで、どんどん質問、議論をぶつけてほしい」と呼びかけ、自身が半生をかけて取り組んでいる研究テーマ「南北問題」とグローバリゼーションについて熱弁を振るった。

 谷口学長は就任当初から教壇に立つことを明言しており、4月から全学共通教養科目の「グローバリゼーションと世界経済の将来」を担当することになった。元国連大使、元OECD(経済協力開発機構)事務次長という経歴を生かし、持論の東アジア共同体論を7月までの全15回の講義で展開する。定員100人の講座に約60人が参加した。

  谷口学長は、南北問題が成立するまでの歴史的経緯を説明した後「時代を先読みすることは経済学者にとって重要だが、それは過去の蓄積がないとだめ」と学生に歴史を学ぶことの大切さを説いた。

  グローバリゼーションの流れについても説明し「多国籍企業の資本が発展途上国に流れるのをいかに規制するかが60年代から80年代までの国連の課題だった。89年にベルリンの壁が崩壊し、共産圏崩壊が加速した90年代にグローバリゼーションがスパークした。先進国の資本、技術をうまく取り入れ、飛躍的な発展を遂げた国もあった」と述べた。

  中国については「中国は共産主義政権でありながら、資本主義国から資本を取り入れるという思想転換をし発展を遂げた。わたしはOECDでインドを担当していたが、インドは多国籍企業の資本を取り入れるのは怖いと、古い形の南北問題にとらわれ、発展の波に乗り遅れてしまった」と中国の政策を絶賛。

  その上で「国連生活30年だが、これだけ人間の考えが急速に変わるとは思わなかった。一つの固定観念にとらわれず、いろんな学派、考え方を学ぶことが21世紀も流れが進むグローバリゼーション社会を生きる上で大切だ」と多様な価値観を学ぶことを求めた。

  総合政策学部1年の高橋咲保さん(18)は「最初は難しいと思ったけど面白かった。地方からやりたいことがあったけど、そのためには国際的な視点も大切。学長の本を読んでもっと勉強したい」と話していた。



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