2005年 4月 20日 (水)        

■   カリスマ服飾デザイナー森南海子さんが講演

     
  会場からモデルを募り、作品を解説する森南海子さん(左)  
 
会場からモデルを募り、作品を解説する森南海子さん(左)
 
  県立大学盛岡短期大学部同窓会成美会(平山貞会長)主催の服飾デザイナー森南海子さんの講演会は16日、盛岡市内で開かれた。流行と一線を画しながら遊び心、独創性や実用性を備えたデザインを提案するカリスマの話を聞こうと、320人以上が参加した。参加者をモデルに森さん発表の服が会場に紹介されるなど、笑いの絶えない講演だった。

 森さんは「からだをいたわる服づくり」と題し、「はさみを持つことは女性が本を読むことよりもものを考える時間ができる。針仕事を通じて、楽しいひとときを」と呼びかけた。

  高齢になった母親のために考案したガウンや首回りを温めるボレロ、つなぎのように足から通す浴衣、Yシャツをリフォームしたかっぽう着などが紹介された。少しの工夫で、実用性だけでなく着て楽しい服づくりについて解説した。

  ガウンは着物をアレンジして着心地のよいものを製作。市販のガウンはかさばって重たいが、袖を少し短くして、ハンカチなど小物を入れるポケットを脇に付けるなどゆったりしながら、実用的なものに仕上げた。

  森さんは「高齢になると細めの袖に手を通すのは難しい。羽織るなら大丈夫」と機能性確保のヒントを話した。つなぎ式の浴衣は、前開きではなく後ろ開きで、洋式トイレを使うのが簡単になるよう仕立てた。点滴のときに腕が冷えないよう長袖を切って取り外せる服もあった。

  紳士服にもアイデアを生かしている。五十肩の男性のために背中の線に沿ってジッパーを付け、前後両開きで腕が上がりづらくても簡単に着ることのできる背広も紹介した。

  斬新なデザインに抵抗を持つ人も多い。そんなとき森さんは「自分で着てしまう。『あれ、いいわね』と言われてから作品として見せる」と説明。最近凝っている沖縄県の服飾で、浴衣の中に腰ひもを巻き、浴衣を内側でひもにくるませるテクニックも披露した。

  森さんはデザイナーとしてだけでなく、高齢者世帯の火災被害を軽減するため、燃えにくい繊維の普及にも取り組む。燃えにくい刺し子、マジックテープで簡単に取り外せるエプロンなど安全対策の必要性を説いた。

  最後に「針と糸を使う仕事をする者として、作り、使い終わるまでを見届ける楽しさのないものが一つある。それは戦時中の千人針。出来上がってしまえばそれきり別れる。縫うことで女性の気持ちを埋め込むと教わったが、千人針を打った家族はどんな気持ちだったか」と戦争の悲惨さを訴えた。


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