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欧州では日本よりも普及しデザインも豊富な茅葺き建造物(日塔和彦さん提供)
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茅葺(かやぶ)き建造物の復興を!県内の茅葺きの修復や保存に取り組む歴史的建造物愛好協会(川島佐知子代表)は5月3日から、安代町細野の通称「綿帽子の里」で茅葺きの伝承保存に関する企画を展開する。茅葺き古民家の土壁作り、日本で意外に知られていない欧州の茅葺き建造物のパネル展などを開催。歴史的な視点から、兼ね備えた機能性と循環型社会へのヒントが詰まった価値を「茅葺きトラスト」に発展させたい考え。
内容は▽4年前から保存修復中の茅葺き民家の土壁作り▽茅葺きや文化財の技術保存に取り組み、同協会を支援する千葉大工学部非常勤講師の日塔和彦さん(58)のパネル展「欧州茅葺き環境事情」(5月10日まで)▽日本写真作家協会員堀越茂雄さんの写真展「浄法寺町・安代町の暮らしの中の茅葺き」(9月30日まで)−の3企画。
土壁作りは、細野地内の綿帽子(茅葺きに雪がかぶった状態)の里の一角、かみの湯温泉敷地で保存修復中の茅葺き民家「かやぶき『川しま』」の仕上げ。壁の製法をコンペ形式で提案してもらい、18席のうちの一つを採用した。10月下旬をめどに完成させる予定。
03年6月から内装に着手。茅葺の柱ほぞ穴を利用した行灯(あんどん)などが情緒を醸し出している。川島代表と古民具の再生に取り組む古民具再生作家土屋逸世・古民家愛好協会代表(千葉市)が桶、せいろをCD・MDラックなどに作りかえるデモンストレーションを連休に行う。
盛岡市永井でデンマーク製の鋳物まきストーブを輸入、販売するアズテック(梅木正勝社長)も連休中に茅葺き内で、まきストーブをたいてみたい考え。
「完全燃焼し、煙突から熱を逃がさず、鋳物の熱が室内に広がる。結露もないし、何より心が和み、温かみがある。首都圏で需要が伸びている。温室効果ガスの排出量はまき1に対し石油4〜5、ガス7、石炭20。茅葺きとまきストーブの生活が最も効率的。森を育てれば燃料は枯渇しない。化石燃料はもうつくり出せない」と話す。
日塔さんのパネル展は99年以降、欧州の英国、ドイツ、オランダ、デンマーク、ハンガリー視察で見つけた茅葺き建造物を紹介する。
自身の欧州茅葺き視察研修報告によると、03年度時点でオランダに約10万棟の茅葺き建造物があり、毎年2千棟が新築されるなど欧州には数万単位で茅葺きが存在するという。
「欧州では新築の茅葺きが多く、日本のように廃屋やあばら屋になってない。想像するに欧州には日本と同じ貧しい農村のイメージの茅葺きと上流社会のコテージ、茶室などとして存在する。ベルサイユ宮殿にも茅葺きがある。最近は新しい価値としてバイオマス資源、自然に負荷をかけない意識が日本より強い」と分析する。
これらを踏まえ、川島代表や日塔さんらは土地を所有し、保全、再生して後世にあるべき姿を残す「ナショナルトラスト運動」ならぬ「茅葺きトラスト運動」の普及を試みている。この趣旨に環境省の外郭団体全国地球温暖化防止活動推進センターも後援している。
日塔さんは「文化財保護の視点でいえば単なる屋根ではなく文化として農村とともに生きてきた。面白く、奥深いもの。文化を守る視点で取り組む必要がある」と主張する。
堀越さんは90年から東日本を中心に「失われつつある茅葺きと暮らし」を題材に写真を撮り続けている。
パネル、写真の展示会場は日塔さん、堀越さんいずれも、かみの湯温泉ロビーで午前10時〜午後9時まで。観覧は無料。
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