2005年 5月 3日 (火)
■ 〈美術〉いわて近代洋画100年展(上) 萬鉄五郎記念館
内村吉助の「静物(リンゴのある)」(油彩、画布、1911年)
いわて近代洋画100年展(同実行委員会などが主催)の「受容から個性へ(明治・大正)」が、東和町の萬鉄五郎記念美術館で開かれている。同展は1868年(明治元年)から1970年(昭和45年)までの約100年間を3期に分けて、同美術館のほか県内2カ所を会場に、県ゆかりの作家の作品を紹介するもの。第1期の会場となった同美術館では、20人の作品66点が展示されている。(文中、敬称略)
海野三岳の代表作「自画像」(油彩、画布、制作年不詳)は、県内の洋画第1号とされる作品。海野はその作家としての業績と共に、後に県の美術界に指導的な役割を担った及川呉郎や清水七太郎ら、多くの教え子を育てたことでも知られる。
五味清吉の「秋草」(油彩、画布、1915年)は第9回文展に出品され、連続入選した作品。草木や人物が繊細に描写された本作品は、作家の作品の中でも一、二を争う代表作。長く行方がわからなかったが、昨年東京在住の個人の所蔵品の中から発見され、同美術館で購入した。今回が初公開となる。
内村吉助は西洋の新しい表現を追求した作家。「静物(リンゴのある)」(油彩、画布、11年)は新印象派風の点描の技法が使われた作品。当時の盛岡の人たちが「織物ではないでしょうか」と聞いたというエピソードも残っている。
大正末期には萬鉄五郎を中心とした流れも生まれた。橋本八百二の「人形を配せる静物」(油彩、画布、26年)や清水七太郎の「初夏」(油彩、画布、25年)などは、画面構成や色彩の配置に、萬の画風からの影響が強く見られる。
五味清吉の「秋草」(油彩、1915年)
重要文化財に指定されている萬の「裸体美人」(油彩、画布、12年、東京国立近代美術館蔵)は5月25日から同会場で展示される。
明治から大正にかけての時代は、県内でも美術が一般市民に浸透し始めたころ。日本画から洋画へという流れの中で、美術団体が次々に結成された。県内で初めて結成された日本画の美術団体「岩手彩友会」(1906年結成)から、初の洋画の集団「北虹会」や「七光社」「北斗会」など、それぞれの団体で活躍した作家の、この期間に制作した作品を紹介している。
7月3日まで。午前9時から午後5時まで。月曜日は休館。入館料は一般600円、高校、大学生は500円、小中学生は200円。第2期「躍動と戦争(昭和前期)」は盛岡市のもりおか啄木・賢治青春館で、第3期「再出発と興隆(昭和後期)」は岩手町の石神の丘美術館で開催中。3館共通券は1千円。
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