エーイ面倒だ、(博士課程進学試験を)受けるだけ受けてやろうと朝3時に起きて、英語の猛勉強、約2カ月。どうせ受けるなら一生懸命受けようと、過去問を調べたり、固い頭に鞭打って、必死で頑張ったら合格してしまいました。ちなみに誘ってくれた若者は涙を飲んで(ゴメンね)、就職。世の中何が起きるか分かりません。
そんなわけで、急きょ、博士課程での研究テーマを探し始めた私。やっぱり滝沢村と縁があったのでしょうか、その半年ほど前に、(当時)岩手県立大の教授をされていたY先生が、東北大学で行った夏季集中講座を受けていました。テーマは「政策評価」。当時はわが国に政策評価の考えが入ってきたばかりで、とても新しい学問でした。しかも、県のレベルから導入が進んで、市町村レベルでは研究者もほとんどいない状態。これだ!と思いました。
宮古市(この頃は宮古市のことばかり考えていたんです!)のために、市町村の政策評価をテーマに選ぼうと決めたのです。先進諸外国の事例は本や論文でレビューし、日本国内の数少ない事例は、直接訪ねて、ヒアリングすることにしました。
そうかそれで滝沢に…と思われるでしょうがそうではありません。「政策評価」で検索しても、滝沢村はヒットしませんでしたから、私はまだ滝沢村を知らなかったのです。
2年近くかけて、20カ所以上の自治体を訪ねました。その中に埼玉県の志木市もありました。ここでもまた、熱い人に巡り会ったのです。志木市は様々な行政改革で有名でした。政策評価にも、市民による評価を試みている、わが国トップクラスの革新自治体です。担当のOさんが、丁寧に志木市の取り組みを説明してくれました。
いいレポートが書けそうな予感に、私は喜んでいました。「ありがとうございました」と言って、退出しようとした私の背中に、Oさんの一言。「ところで熊坂さん、当然滝沢村にはいかれましたよね」。(滝沢村前助役)
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