2005年 5月 9日 (月) 

       

■ 〈なぜ増える専門学校〉中 医療福祉系は激戦区

 4月、盛岡市内に学校法人龍澤学館が運営するペットワールド専門学校と盛岡公務員法律専門学校、財団法人創玄芸術学園グループが運営する北日本医療福祉専門学校の3校が開校した。

  だが、新設の公務員法律、北日本医療福祉ともに就職先が競合するライバルが既に存在する。

  中でも一番の激戦区に参入したのが、北日本医療福祉だ。市内には龍澤学館が運営する盛岡医療福祉専門学校=大沢川原=、学校法人久保学園が運営する盛岡社会福祉専門学校=菜園=、社会福祉法人麗沢会が運営する東日本社会福祉専門学校=厨川=と、社会福祉系の3校が既にあり、4校目の北日本医療福祉は一足出遅れた格好になった。

  北日本ハイテクニカルクッキングカレッジ(HTC)、北日本ヘア・スタイリストカレッジ(HSC)を展開する創玄芸術学園グループの奈良憲光校長は「グループに医療福祉が加わったことで、HTCと連携して介護食、薬膳食が学べるようになった。HSCと連携すれば、介護美容もグループ内で学べる」とグループの相乗効果によるスケールメリットを説く。

  後発ならではの強みもある。全国に社会福祉系の専門学校が増えた結果、厚生労働省の設置許可基準は年々厳しくなっている。後発だからこそ、厳しい設置基準を満たしたという自負があるという。

  奈良校長は「基準を満たしただけでなく、設備を整えた新校舎を建てた。介護施設で働く職員ではなく、起業を目指す人材を育てたいという高い教育理念。加えて、県立大の教授陣を中心にした最高レベルの講師陣という教育内容は、確実に高校生に浸透していく」と自信をのぞかせる。

  分野が競合する専門学校が増える中、市場のパイは、着々と飽和状態へと近づいている。少ないパイを争う以上、専門学校戦国時代に突入するのは避けられそうにない。

  奈良校長は言う。「一杯のどんぶりを4校で分け合うという考えは浅はかだ。多くの学校ができることで学生の掘り起こしにつながるし、学生を社会に送り出す過程で、学校も認められていく」と。

  進路が多様化し、高校生の選択肢は増えた。だが「スペシャリスト」として社会に出る専門卒は、社会でも学校の看板を背負い続けなければならない。

  ある専門学校関係者は「就職してすぐ辞めたり、期待していた能力を発揮できないと学校の評判は落ち、来年度の就職に影響する。かといって、指導を厳しくしすぎれば学生が離れていき、学生確保にも影響しかねない」とこぼす。スペシャリスト育成をうたう専門学校は、そんなジレンマも抱えている。

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