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「それっ!」の掛け声と同時にスタート。馬より人が早くダッシュする |
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東北輓(ばん)馬競技大会(同実行委員会主催)が3日、盛岡競馬場で行われた。馬と一緒に人も走る迫力満点のお祭りに、約千人の観客から大きな拍手が送られた。
大会参加料は1万円。東北各地から約40頭の馬が集まった。競馬場内の練習走路に設けられたコースは直線200メートルで、途中に1カ所坂の障害がある。砂の上に粉で白線を引いてコース分けした。
スタートの合図で一斉にスタート。出場者が予想していたより砂場は軽く、750キロを積んだそりをものともせずに馬たちが駆けだした。手綱を手にした馭者(ぎょしゃ)が先頭を切って馬を引っ張り、助手が後ろから掛け声を浴びせる。坂の障害は人馬ともひと呼吸置いて力を振り絞った。
コースを外れると失格だが、2歳馬のレースでは馭者の制御がまったくきかずに逸走馬が続出。人馬一緒に蛇行しながらゴールインした。審判員は審議を宣告したが、全馬失格というわけにもいかない。
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砂馬場をものともせずに疾駆する人と馬 |
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参加者のほとんどは農家。馬が農作業に従事することはなくなったので、ばん馬大会に参加するために馬を飼っている。
山田町から参加した農家の主婦は「やっぱり馬がいないと寂しくて」と話す。亡くなった祖父が山仕事のために馬を飼っていた。大会に出場させたのは3月に購入したばかりの3歳馬トウショウ号。馬格のある黒光りする馬体。丹念にブラッシングされて毛づやも輝くばかり。既にほかの大会で優勝経験もある。ほかの出場者も見に集まってきて品定めに余念がない。
大野村から参加した農家は、愛馬とともに年10数回ほど各地の大会を回るという。手伝うのは近くの農家や親類の男たち。普段は近くの牧場を走り回らせるトレーニングをするが、農作業に使うことはない。餌代などかかる費用は月に2万5千円ほどという。ほかに大会のための出場費や運搬の経費、馬具代などがかかり、合計するとそれなりの出費になる。
「なあにパチンコだ、馬券だとかいうより安上がりよ」と、くったくない表情。出番が回ってくるまで馬運車になった屋根付きトラックの回りでバーベキューや芋の子汁で景気づけする。レースで汗をかくのは人も馬も一緒だ。体力に自信のある男たちには、次々に声がかかった。
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障害の頂上に上り詰めて、ここから人馬ともさあ一気 |
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愛馬自慢の大会は、東北の農家の祭り日になる。
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