志木市のOさんの言葉は、丁寧ですが有無を言わせない響きがありました。「あ、はい。い、いいえ」と、訳の分からない返事をしながら、一生懸命頭の中を整理していました。(滝沢村…岩手県?確かそうだよね。でも、滝沢村がどうしたの?わかんない。ここは正直に…)と一瞬のうちに降参した私は「滝沢村ってそんなにすごいんですか?」と、質問していました。人の良いOさんが、それからさらに、2時間近く、滝沢村の説明をして下さったのは言うまでもありません。
滝沢村はすごいらしい、でも私のテーマである政策評価とはちょっと違うみたい。そう思った私は、Oさんの説明だけで満足して、滝沢村を訪ねようとはしませんでした。
ところが…。志木市のレポートがほぼ完成し、Oさんにメールで送って、間違いがないかチェックしていただく作業に入り、何度かメールのやりとり。
そのたびに「ところで、滝沢村にはもう行かれましたか?」という厳しいチェック。「もうすぐ行く予定です」と返事をして、それから、あわてて滝沢村にインタビュー依頼の手紙を出しました。
インタビュー依頼の文書はすべて、市町村長あてに、丁寧に目的や内容を説明しながらお願いします。10件出すと大体6割の自治体は、快く引き受けて下さいます。約2割からは多忙や、期待に添えない等の理由から丁寧なお断りのメールなどが届きます。そして残りの約2割は反応無し。幸いにも、滝沢村からはすぐに感じのよい返事が返って来ました。
こうして、いろんな人との不思議な出会いが、やっと滝沢村まで私を連れてきてくれました。生まれて初めて、地図で確かめながら、盛岡バスセンターでバスを乗り継いで、滝沢村役場を訪ねたのは平成14年の冬のことです。バスに揺られながら思ったのは、岩手県は広いなあ、滝沢村は遠いなあ、ということ。(滝沢村前助役)
|