2005年 5月 10日 (火) 

       

■ 〈星めぐり〉130 八木淳一郎 北斗七星

 有名な北斗七星は、春の代表的な星座の一つであるおおぐま座にあって、7つの星はおおぐまのお尻から長いしっぽの部分を受け持っています。ひしゃくの柄の部分に相当するしっぽは、本物のクマに比べてずいぶんと長いのですが、それは、ギリシャ神話の中で神様がクマを天に上げようとしっぽを持ってぐるぐる振り回したので伸びてしまったため、といわれます。

  北斗七星はその姿形や大きさ、方角や位置の変化などさまざまな点で印象深く、洋の東西を問わず昔から多くの人に注目されてきました。卍(まんじ)の記号の元になったとする説もあります。

  ところで、北斗七星とその周辺には興味を引く天体がいくつかあります。まず良く知られたものの一つで肉眼で楽しむ対象にミザールという星があります。

  これはひしゃくの柄の端から2番目の星で、視力がいい人には4等星の小さな星がすぐそばに光っているのが分かります。この星は古代アラビアの兵隊の視力検査に用いられたといわれます。早速今晩試してみてはいかがでしょう。

  そばにあるその星にはアルコルという名前がついていますが、ミザールに望遠鏡を向けてみますと、さらに同じような星が寄り添うようにしているのが見つかります。

  さて、倍率をあまり高くしないで、広い視野が望める望遠鏡があれば、北斗七星のあちこちにレンズを向けてみたいものです。ひしゃくの升を形作るアルファ星、ベータ星、ガンマ星、デルタ星のうち、対角線に相当するガンマとアルファの二つを結び、その方向に同じくらい伸ばした位置にM81とM82という二つの銀河があって、一度に同じ視野にこれらを見ることができます。しかもなかなかに見応えのある天体です。

  81は渦巻き状の銀河、82の方は中心部で大爆発が起きているといわれる複雑な形の銀河です。どちらもわたしたちからの距離は一千万光年と割に近く、アンドロメダ銀河や大、小マゼラン銀河、そしてわたしたちの銀河系が所属する局部銀河群の一員です。

  ベータ星とガンマ星の間でベータ星寄りの位置にはふくろう星雲というニックネームを持つ惑星状星雲M97があります。惑星状星雲というのは超新星爆発のガスの広がりです。ふくろう星雲と聞くだけでどんなに愉快な姿をした天体か興味を覚える方も多いのではないでしょうか。低めの倍率ではM108銀河も同じ視野の中に見ることができます。(盛岡天文同好会会員)





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