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「西和賀カタクリの里」 |
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湯田町在住でカタクリの会代表の瀬川強さんがこのほど、「西和賀カタクリの里」(A5判、47ページ)を熊谷印刷から発刊した。自身が撮影した、西和賀地方(湯田町と沢内村)のカタクリの花のカラー写真をふんだんに掲載。「多くの人々がカタクリの花を通じて環境を考え、里山地域の自然が保全されることを期待し執筆しました」というように、その生態や生育地だけにとどまらず、カタクリを取り巻く環境問題にまで幅広く話題を広げている。
カタクリは、ユリ科カタクリ属の多年草。春の雪解けとともに芽を出し、1週間から10日ほどで花を咲かせる。約1週間咲き続けた後、青葉が茂る初夏には姿を消す。地上に現れる期間がわずか2カ月あまりのため「春の妖精」という愛称でも親しまれている。
全国の山野に広く自生しているが、大きな群落が見られるのは北陸から東北、北海道。暗いところでは花を咲かせることができないが、木の生えていない風の強い場所も苦手。クリやコナラなど、春の芽吹きが遅い落葉広葉樹の森があるところを好む。
「雑木林の中はまるで生き物たちのゆりかごのよう」という瀬川さん。強い風を和らげ、寒波や霜を防ぐ。春の光が地面に十分に届く環境は、カタクリなどの草丈の低い植物を優しく育んでくれるという。
西和賀地方は11月下旬から4月中旬まで積雪があり、その量は多いときで2メートルを超す。厳しい環境だが「雪解けのあとにふくふくとした黒い大地が現れ、紅紫色のカタクリの群落を見ると、つらかった冬の厳しさもいっぺんで吹き飛んでしまいます」と実感。同地方では4月上旬から5月中旬まで花を楽しむことができる。
カタクリが好む里山環境も、全国各地で急速に進む過疎のため、下草刈りなどの手入れがされなくなってきたという。そのほか、大規模な開発や、落葉広葉樹から常緑樹への樹種転換などもカタクリの生育環境の悪化に拍車を掛ける要因と指摘する。
2003年から始まった全国カタクリサミットは、3回目を迎えた今年、西和賀地方で開催された。瀬川さんは「カタクリの生態をよく知り、愛する人たちが多くなれば、きっとカタクリの里は大切にされる」と思う。
「見方、楽しみ方を覚えてくれば、カタクリの里に訪れる人も多くなり、過疎の地に人々の歓声が響き、都市と山村との交流が行われ、カタクリの里の保全が進む」と意気込んでいる。
1985年にカタクリに引かれて、湯田町に移住。90年、カタクリの会を結成し、西和賀で月に1度の奥羽自然観察会を主宰。現在、日本自然保護協会自然観察指導員、日本野鳥の会会員。
定価は800円。問い合わせは熊谷印刷出版部(電話019−653−4151)まで。
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