2005年 5月 12日 (木) 

       

■ 伝えたい、残したい盛岡 30代女性ら中心にタウン誌「てくり」創刊へ

     
  19日発刊予定の「てくり」  
 
19日発刊予定の「てくり」
 
  盛岡を舞台にした新たな切り口のタウン誌「てくり」(まちの編集室刊)が19日創刊される。盛岡で暮らす生活者の視点から、伝えたい盛岡、残したい盛岡を物語として紹介。盛岡を改めて見直す紙メディアを目指す。B5判変形32ページ、オールカラー。

 発刊元のまちの編集室(水野ひろ子代表)は2000年に、市内在住のフリーライター、デザイナーらが立ち上げたネットワーク組織。材木町瓦版などを発行してきた。今回は30代の女性6人が中心となり企画、編集をした。

  6人は2000年ころから、自分たちが暮らす盛岡に関して知らないことが多いことを痛感していたという。住民1人、生活者1人の立場で、日常の生活空間の中での面白さ、受け継がれてきた大衆的文化などを改めて見直しする作業が必要と判断した。

  自分たちが関心・興味を寄せた人物やモノ、食、時間の過ごし方などを中心に、伝えたい盛岡、残したい盛岡を紹介する新しいタウン誌づくりに挑戦することになった。

  コンセプトは残したい、伝えたい、盛岡の普段をつづる本。誌名の「てくり」には、てくりてくりと散歩することの意味を込めた。創刊号のテーマは「橋をわたって、川をこえて」。

  紙面のトップでは中津川沿いの喫茶ふかくさ、ap−cafeなど新旧のカフェを取り上げている。85歳のふかくさの元オーナー細川律子さんが、著名なオペラ歌手の内弟子だったことや昭和20年代ころの大通、菜園などの思い出を語っている。

  「知ってますか?川沿いの楽園」として、昭和42年(67年)に下厨川にある北上川の中州にオープンしたサニーランド蛇の島について取り上げている。同ランドはオープン時には大変なにぎわいだったにもかかわらず4、5年で閉館になった。

  当時の盛岡タイムス紙面も登場し「まる一日遊べる」と子供たちの感想などを紹介、当時記者だった向井田郁子さんの「戦後の貧しさから脱出し、楽しい話題でにぎわう時代。70年に岩手国体があり公的なスポーツ施設が整備されて苦戦に」と、当時を振り返る談話も掲載されている。

  「あなたはなぜ、ここにいるのですか?」では、盛岡で働き、暮らす理由を世代が違う3人に聞いている。

  20代のエレクトロ・アコースティック・アーチストのピアナさん、30代ではベアレン醸造所取締役の嶌田洋一さん。そして、70代では宮沢賢治研究家の板谷栄城さん。板谷さんは「盛岡に住んでいることは賢治に関する研究をするうえで大きなメリッット」と答えている。

  ほかに盛岡一高応援団、茶畑のふじた食堂、本町通の三和食堂のゴマのふかしなど、スタッフ6人が関心を寄せた盛岡が掲載されている。

  水野代表は「本格的に動き始めたのは昨年から。これまで構想はたくさんあったがまずは紙媒体にこだわり形にしようと取材などをスタートした。知っているようで知らないことがたくさんあった」「普通に暮らしてきたおじいちゃん、おばあちゃんも登場させたい。実はわたし自身が盛岡の良さ、なぜ盛岡にいるのか、説明できない。その鍵を探るためにも年2回のペースで出し続けたい。自腹でない方法を考えながら」と力を入れる。

  編集者兼グラフィックデザイナーの木村敦子さんは「東北の各地や九州にはデザイン、内容に優れた文化度の高い地場のタウン誌がある。盛岡には素晴らしい歴史や文化、自然がある。盛岡市出身のわたしとしては、てくりがそうなるよう努力したい」と期待を込める。

  市肴町商店街振興組合4S会会長の大関寿美子さんもスタッフの一人。「まだ昔ながらの盛岡がある。てくりを出すことで盛岡らしさ、良さの再発見につながれば」と話していた。定価500円(税込み)で1千部発行。盛岡市内の東山堂、さわや書店で販売予定。
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  てくりの写真を担当した雫石町在住のカメラマン奥山淳志さんの写真展を23日から6月5日まで盛岡市上の橋町のup−cafeで開く。6月26日午後1時半から同市清水町の南昌荘でトークセッション「盛岡で暮らす愉(たの)しみ、あるく愉しみ」を開催する。

  建築家の渡辺敏男氏、文化地層研究会代表の高橋智氏、サイト盛岡絶賛系主宰者の沢野いずみさん、シネマストリートプロジェクト代表の鈴村圭司氏らがパネリスト。

  問い合わせは、まちの編集室(電話090−3641−6656)まで。


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