これまでお話してきたことは、受験参考書などを含む英文法書では物質名詞の普通名詞への転用などという項目をもうけて説明しますが、はじめから物質名詞とか普通名詞とかの区別が厳然と存在しているというよりは、英語ネーティブが持っている外界認知の区分け意識(範疇=はんちゅう)の間の「ゆらぎ」からくるものと思ったほうがいいようです。
この場合であれば個体的とみるか量的とみるかという視点の転換からくるものなのです。英語ネーティブにしてみれば、これをほとんど無意識におこなっているわけですが、そこがわたしたち日本人には困るのです。つまり、その心がわからない。もっと言えば、その「気が知れない」のです。
でも、ちょっと待ってください。日本語でも、雪がたくさん降ると積雪量が多いと言い、雨がたくさん降ると雨量が多いと言います。積雪数とか雨数が多いとは言いません。この場合、雪や雨のつぶを数えてはいないことは明らかです。
日本語でもこれらを量としてとらえているのです。雪のひとひらひとひらに言及するのなら数としてとらえます。英語ではちょうどこのように、数と量の視点が大抵の名詞に及んでいるといえるでしょう。
「先月は雨が多かったね」と言う日本語は雨の量のことを言っているのか、雨降りの回数のことか、あるいは両方のことかについての意味かあいまいなままでもいいのですが、英語の場合は、ある一定の期間、ある地域で何回も降る雨は、The rains come.のように複数形にします。この-sは降雨の頻度なのです。雨粒を数えているのではありません。これは雨季the rainy seasonのことです。知人の英国人は、日本では「梅雨」に当たると言いました。(言語人文学会会長)
英国人助言者:kevin Short岩手大学非常勤講師、kevin’s English
School主宰 |