2005年 6月 1日 (水)
■ 盛岡市が岩手大学構内に研究施設建設 産学官連携へ東北初
岩手大学構内にある盛岡市産学官連携研究センターの建設予定地
盛岡市は5月31日、(仮称)市産学官連携研究センターを同市上田4丁目の岩手大学構内に06年度、建設する計画を発表した。新技術の共同研究などに安価で利用できる研究開発用室(インキュベーションラボ)を整備。同大学と連携し新技術の研究開発や新規創業の支援を図る。自治体が国立大学の構内に、こうした研究施設を整備するのは全国で3例目。東北では初のケースという。
計画によると同センターは鉄筋コンクリート造4階建て、延べ床面積2000平方メートル。この中に市が企業や研究者に賃貸するインキュベーションラボ20室と小ブース10室の合わせて1千平方メートルを整備する。
建設予定地は岩手大学の地域連携推進センターの裏手に当たる工学部4号館の隣接地。今年度、基本設計と実施設計をまとめ06年度に本体工事、07年度の早い時期の開所を目指す。
センターの機能はインキュベーションラボの賃貸や研究開発用機器の利用など研究開発のための支援機能のほか、インキュベーションマネージャーによる販売促進支援機能、多目的スペースの確保による産学官民交流支援機能などを想定。研究開発支援や知的財産管理などを専門的に指導するスタッフが多数在籍し、既に実績を挙げている地域連携推進センターと連携を図りながら、新しいスペースの活用を図る方針を示した。
総事業費は約6億1100万円。このうち、2分の1は国の電源地域新事業支援施設等整備費補助金、残りの多くは合併特例債を活用する。
市役所で行われた記者会見で谷藤裕明市長は「将来にわたって市が自立していくためには、地域産業の活性化が緊急課題。産学官連携活動を強力に推進し、新事業推進のための施策に戦略的に取り組むことが求められている」とセンター建設の目的を説明。
将来的なステップとして盛南地区の産業用地や貸工場、市内の空きオフィス、空き店舗などへ企業立地を誘導し、地域産業の活性化と雇用の確保を図る考えを示した。
同大学の平山健一学長は「地域の産業界にとっても大きな恩恵。大学、行政、地域の3者が好条件でそろうことになる。地元企業の向上や販売促進、企業誘致につながれば」と期待感を表明した。
現在、同大学の地域連携推進センター内に設置されているインキュベーション施設には12社が入居。順番待ちの状況で、産業界の需要は十分、期待できるという。同大学には「基盤技術」などの得意分野があるが、特に目玉となる研究分野は掲げず、幅広く内在している需要にこたえていく。
同大学の04年度の共同研究件数は161件。過去19年間では約600件に上る。大学の研究成果を事業化した大学発ベンチャー企業はこれまでに11社設立された。
同市と同大学は02年11月に相互友好協力協定を締結。昨年10月には同市東京事務所内に、大学の東京オフィスを開設するなど協力関係を深めている。
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