2005年 6月 2日 (木) 

       

■ 〈お父さん絵本です〉60 岩橋淳 まっくろネリノ

 表紙をご覧ください。…印刷の不具合ではありません。真っ黒のバックに浮き上がる、向かって左手には大輪の花。そしてそのかたわらに、ひときわ大きな二つのまなこが、見えますか? 今週の一冊、主人公は、この子です。
 
  まるで毛糸だまのマスコットのような、カラフルな羽の色が自慢の鳥の家族の中で、たったひとり、末っ子のネリノだけは全身真っ黒。みんなと違う羽の色のために、4人のきょうだいは一緒に遊んでくれません。持って生まれたものがみんなと違うために仲間はずれにされるという、理不尽。…ところが、キレイな羽の色が災いして、きょうだいたちは人間に捕まってしまいます。そのとき、ネリノがとった行動とは?

  それぞれに備わった個性は、必ずどこかで生かす場面がやってくる。家族の愛、弱者の知恵、などなど。教訓を引き出すことは簡単ですが、この目ばかりが大きくて無表情な鳥たちの中に、仲間はずれにしておきながらコロッと仲直りするこどもの無邪気さ、差別者とも被差別者ともなりうる自分を見るコワサを感じるのは、深読みに過ぎるでしょうか?

  【今週の絵本】『まっくろネリノ』H・ガルラー/さく、やがわすみこ/やく、偕成社/刊、1050円(税込み)4歳〜(1968)


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