2005年 6月 3日 (金) 

       

■ 中心市街地を失っていいのか シンポジウムで意見交換

     
  1日開かれたまちづくりシンポジウム  
 
1日開かれたまちづくりシンポジウム
 
    大型店出店を考える第4回まちづくりシンポジウム(くらしを考えるネットワーク主催)が1日、盛岡市大通のサンビル7階大ホールで開かれ、県内の消費者団体、経営、商業者団体、行政、一般市民ら150人が出席した。郊外の大規模SC(ショッピングセンター)への対応や社会的な問題、商店街自体の問題や在り方などについてフロアからも発言が相次いだ。
 
 2000年から04年までの県への大型店の新設届出件数は39件。県内小売店の売り場面積に占める大型店の売り場面積は4割近くに達する。

  吉田莞爾盛岡市商店街連合会会長は、「大型店出店の影響もあるが、それ以上に商店街内部の抱える課題が大きい。まず後継者がいない。大変な問題。またこの15年ほどで盛岡大通商店街協同組合の組合員は150店から100店に減った」「共同売り出しをしても参加する店舗は70店。ファストフード店、ゲームセンター、消費者金融ばかり増えた。紳士服の店は1軒だけ。魚屋や肉屋もない。ダイエー盛岡店が閉鎖になれば何も提供できない街になる。銀行は貸しはがしばかり。街中に住む運動を起こさなければ、街は存続しなくなる」と厳しい商店街の状況を訴えた。

  松本静毅同連合会企画委員会副委員長は、本町で子供を育て暮らしてきた。子供に恥ずかしくない商売をやろうと思い今まで暮らしてきた。本町には産婦人科があり、学校、商店、川、そして寺もある。生きて、暮らして、死ぬまでがこのまちにはある。郊外のSCにはまねできない」「本町にはマンションも増加しており、そこの子供らも含め、サケの稚魚の放流も行っている。ふるさとのまちを、子供たちに残したい。人を育てるまちにしたい」と本町の商店主、住民の一人として発言した。

  渡辺彰子県消費者団体連絡協議会副会長は「人やモノ、情報はめまぐるしく移動しているが、しかし、盛岡のまちそのものは移動しない。ここにある。今残っている歴史、伝統、自然が壊れさないようにしたい。ほっとする空間が大事。やはり、地域に適したまちを残したい。そのため、県条例制定に向けた運動を展開したい」と消費者団体の立場を示した。

  「ファストフード風土化する日本」(洋泉社)の著者で、消費社会研究家の三浦展さんは「全国的に犯罪の発生と郊外型SCの存在は関係があると言える。中心地の商店街には人がいなくても、郊外や田舎のSCには人がいる時代。そして店内にはファストフード。大規模店舗立地法が施行され、商業調整がなくなった。この状態ではさらにSCが増える」と指摘。

  そのうえで「SCだけ、ファストフードだけで良いのか。別な場所、食事をしたい自由はなくなるのか。まちを守ることは人権の一つ。まちに住むことがまちを残す緊急の課題」と話した。

  フロアからは「イオンに夜に行った。子供連れの若い家族が、夜11時近くまで食事していた。共働きなどの家族が増え、家で食事を作らない家族もある。共働きにする社会にも問題がある」(50代女性)、「今後も、県内各地にSCが来るようだ。大規模店舗立地法など、まちづくり3法は見直しのようだが、行政にお願いしてうまくいくかどうか。SC進出は社会問題。5年、10年後のまちの在り方を踏まえて考えないと」(60代男性)などの意見が出た。 


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします