2005年 6月 5日 (日) 

       

■ 盛岡卸センターが共同配送施設の盛岡物流センターを売りに

     
  売却話が浮上している協同組合盛岡卸センター所有の盛岡物流センター  
  売却話が浮上している協同組合盛岡卸センター所有の盛岡物流センター  
  約170社が加入する協同組合盛岡卸センター(矢巾町流通センター南1丁目、池野和夫理事長)は、所有する共同配送施設「盛岡物流センター」を04年度から売りに出している。流通業界の激変によって卸売業者がより効率的な運営を迫られたためだ。大手小売業による自社の物流網整備、地場小売業の衰退に伴う取引先の減少、オンライン・ショッピングの普及など、再編の波をかぶりながら地方の業界も厳しい選択に直面している。

 同物流センターは「中小企業流通業務効率化促進法」で96年に国、県から事業計画の認定を受け、翌97年5月に施設が完成。翌月から本格稼働した。

  同町流通センター南2丁目地内に敷地面積3万4千平方メートルを確保。建物は鉄骨平屋建てで建築面積1万2千平方メートル。東北最大級と呼ばれた。施設内にはプラット・ホーム、トラック・ヤード、事務所がある。方面別仕分けソーター、移動式保管ラック、低温冷蔵倉庫、ドッグ・レベラーなどの設備を持つ。

  組合は県を通じて中小企業高度化資金から、土地、建物などの整備に必要な費用約23億円のうち約8割に相当する18億円を無利子で融資を受けた。計画初年度から3年間据え置きのあと17年間で全額返済する計画。税制面でも法人税の特別償却(初年度8%の減価償却率上乗せ)の優遇措置も受けた。

  物流センターは参加企業(竣工当初約40社)の商品を集荷し、方面別に仕分け、共同配送するシステム。企業単独で行っていた商品配送業務の小売店への小口や時間指定配送に対応。配送コスト低減などの効率化を狙った。

  しかし、間もなく大手小売業は自社で物流施設を整備し始め、全国展開する巨大スーパーによる卸売業者の選別など流通の「中抜き」が生まれた。地方では卸売業を廃業して配送業に業態転換したところも少なくない。

  こうした背景から、昨年秋に物流センターの売却を機関決定。組合や矢巾町役場のホームページで同10月に売却が公表された。ネット上には、流通センター内で法的整理に入ったほかの物件とともに掲載されている。首都圏の大手不動産メーカーを通じて全国に情報提供されている。

  売却が決まり譲渡された場合には、県に残りの貸付金を一括返済しなければならない。

  組合の遠藤良吉専務理事は「努力はしているが現在の経済情勢もある。全額返済するのが絶対条件。物流の激変の中で今後地方の卸小売業がどうするべきか官民一体で進めなければせっかくの投資が無駄になる。物流センター参加企業にはその後の橋渡しをしていく」と話す。

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