2005年 6月 6日 (月)
■ 日本脳炎ワクチン予防接種すべきか否か 勧奨差し控えで問い合わせ
日本脳炎ワクチン接種の問い合わせにこたえるため小児科医院でも準備を進めている
日本脳炎ワクチンの予防接種の勧奨差し控えの勧告を受けて、盛岡市保健センター(田中光洋所長)は、接種対象者(幼児から高校生まで)の保護者や関係機関の混乱を防ぐため周知に務めている。厚生労働省が都道府県に対し発令した緊急勧告で、市が推奨している同ワクチンの接種時期(6月〜8月)の直前だったため、保護者から問い合わせが相次いだ。同保健センターでは医療機関と連携し、希望者が接種を受ける際の体制も整えている。田中所長は「保護者の方にはとまどいもあると思うので、不安に思うことがあれば本センターやかかりつけ医に相談してほしい」と話している。
日本脳炎ワクチンは今後、流行地域への渡航を予定している人や本人・保護者が接種を希望する場合、医師の説明を受け、同意を明示したうえで接種を受けることができる。現在は準備段階で接種を中止しているが、市医師会(臼井康雄会長)と予防接種実施指定医療機関(53機関)に協力を得て、今月上旬には体制が整う予定になっている。
同ワクチンの予防接種券は、子供が誕生時に保護者に配布される「赤ちゃん手帳」につづられているほか、小中学生の対象者には接種券を郵送している。
市保健センターでは、勧奨差し控えについて学校に緊急通知したほか、今後は広報や市のホームページで市民に周知していく。小中学生の対象者については、各保護者あてに直接通知することも考えているという。
今回の緊急勧告は、昨年7月に日本脳炎ワクチンの接種を受けた山梨県の中学生が、重い神経障害の「急性散在性脳脊髄(せきずい)炎(ADEM)」と診断され、日本脳炎予防接種との因果関係が否定できなかったため。
県予防接種センター担当医で厚生労働省予防接種研究班の菅野恒治さん(菅野小児科)は「リスクの低い新しい日本脳炎ワクチンの開発・承認が待たれるが、その間は今の状態が続きそうだ。保護者に接種の判断を任されてもつらいものがあると思う。医師が十分に説明することも必要」と話していた。
3歳の子供の接種を予定していたという工藤新穂子(にほこ)さん=盛岡市=は「新聞で記事を読んで驚いた。安全で恐い病気を防げるものであれば受けたいが、日本脳炎にかかる確率が低ければ接種を控えるかもしれない」と話していた。
日本脳炎ワクチンは予防接種法に基づき、市町村などが勧奨する定期接種(公費接種)として年間400万人以上が接種を受けている。標準として3歳ごろから14歳ごろまでに3期に分けて5回の接種を受ける。
日本脳炎は、体内でウイルスを増殖したブタなどの血を吸った蚊が媒介し、人間に感染、意識障害や神経系障害を起こす。人から人へは感染はしない。患者の発生は年間で10人以下にとどまっている。
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