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■ 〈英語ってどうなってんの?〉20 成田浩 a,anとtheの由来
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前回、「古池や 蛙とびこむ 水の音」の英訳では蛙につける冠詞で考えこんでしまいました。古池と水と音にどんな冠詞がついていたか思い出してみてください。
さて、すこし理解の助けになるかもしれないので、ここでa,anとtheの由来を簡単に見ておきましょう。
まず、a,anから。これは紀元後約450年から1100年ころまでの古代英語では、現在のanに似た語(現在の文字とは違う)があって、ある任意の一つという意味で使われてました。
だから、始めからoneという意味は含まれていたわけです。それが1100年から1500年の中世英語期にanとoneとに分かれ、「ある任意の一つ」という軽い意味の不定冠詞a,anと「一つ」という数を意識したoneとに分かれたのです(oneにはほかの用法もありますが、それは別のところで)。
ですから、I am a student.はいいけれど、aの中にoneの意味が含まれているからといってI am one student.は不自然なのです。Iと言えば一人に決まっているのに、わざわざ数の1にこだわるのは変だからです。
theのほうは、古代英語の「それ」と言う意味を表す指示代名詞が男性名詞の前でse、女性名詞の前でseo、中性名詞の前でthe(現在の綴りで)となり、13世紀になって「それ」という意味を持ったままで定冠詞になってしまったのです。ですから、「ほかならぬそれですよ」といった特定性があるのです。
一方、「これ」「それ」「あれ」に当たるthis,that,itは別に指示代名詞として発達したのですが、theには特に「指差し」するほど強い指示性はなく、その場でお互いに了解しあっているような場面で使うわけです。
It’s very hot. Open the window.はその場の対話当事者同士の間で了解済みのwindowなのです。まさか、わざわざ隣の部屋の窓を開けることは考えられないのです。どの窓なのか言うまでもなく、その窓に決まってるじゃないですか、というのがtheなのです。 (言語人文学会会長)
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