2005年 6月 7日 (火)
■ 〈美術〉40年前に向き合う 百瀬寿氏が60年代展
百瀬寿さんと「Glorious Sunset」(油彩)
盛岡市在住の百瀬寿さんの60年代展が26日まで、同市大通3丁目の盛岡クリスタル画廊で開かれている。油彩や版画作品17点が展示されている。
1968年と69年に制作された2点の油彩「GREAT SUNSET」シリーズは、夕焼けから着想を得た作品。描きなぐったような筆跡は、夕焼けに染まる雲を墨でスケッチしたものを基にしたという。
当時住んでいた盛岡市緑が丘の、夕焼けの美しさに感動。どんどん姿を変えていく雲の、瞬間的な形を残したいと思ったとき、墨が一番速かった。夕焼けのオレンジ色と、その補色の関係にある青を組み合わせて仕上げた。
4枚組の「Glorious Sunset」(油彩)は、それぞれのキャンバスの中の線によるグラデーションと、キャンバス自体のサイズを小さくしていくグラデーションを一つの作品の中に盛り込んだ。
それまでは具象的なものも多く描いたという。「絵画−’67」(油彩)はパターン化された図形の上に、生々しい筆跡を残した作品。自身「テーブルの上に魚が載っているよう」と笑うが「具象を一生懸命描いていたので、その名残かな」と思う。
21歳から22歳にかけて取り組んだ銅版画作品は、盛岡では初めての展示となる。手のぬくもりが残る線や面の表現からは、進むべき方向を模索した、若き日の作家の思いが感じられる。
自身にとって60年代は「世の中も、自分が前にやっていたことも否定していた時期。世界中のどこかで、似ているものを作っている人がいるのではないかと常に思っていた。自己のスタイルを確立させるのにうごめいていた時代」と振り返った。
午前11時から午後6時半(最終日は同5時)まで。火曜日は休廊。
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