■ 岩手山中心に東西南北で異なる植物分布 網張VC記念講座で杉田氏が講演
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岩手山の植物分布について解説した杉田久志氏 |
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雫石町岩手山ろくの網張ビジターセンター開館記念講座(同センター運営協議会の主催)第2回講座は4日、開かれた。講師に農学博士の杉田久志森林総合研究所東北支所森林生態研究グループ長を迎え、「岩手山地域の植物分布の特性」と題して行われた。過去の火山現象や標高などの要因で、岩手山の東西南北で森林の分布が異なる点を解説した。講座は12日まで、全5回。
杉田氏は「岩手県の自然を象徴するのが岩手山」と述べ、盛岡市と山ろく4町村から撮影した岩手山の表情をスライドで紹介しながら、針葉樹や落葉広葉樹の分布に触れた。自ら山を歩き、航空写真などを基に独自に作成した植生図から位置や標高別の分布状況を説明した。
春の八幡平から見た岩手山のスライドを使って、標高900〜1300メートル地帯の森林の色からブナとミズナラの分布を解説。
「ふもとは落葉広葉樹。葉が開き緑に見えるのは開きが早いブナ。まだ開いていない濃い緑はミズナラ。ブナは谷沿いの急傾斜、ミズナラは緩斜面にある。これは人の影響で急傾斜に人は来ないが、緩斜面には人が入って伐採する傾向があるため」と話した。
標高別には、ふもとからミズナラ(900〜千メートル)、ブナ(千〜1300メートル)、オオシラビソやダケカンバなど(1200〜)、落葉広葉低木林群落(1600〜)、ハイマツ(1700〜)の順で各出現率が高い。
岩手山が成層火山で西から東へ火山活動が推移していることから、西岩手山は多用な森林の繁殖が見られるが、東岩手山は1686年の貞享噴火や1732年の焼走り溶岩流で現在も繁殖していない場所があると指摘。
「1686年の大噴火の影響が300年以上経過した現在も打ち消されておらず、それを基に現在の植生が成立している」という。後半では貞享噴火後の植生に関する研究成果について解説した。
同講座は先月21日の工学博士の土井宣夫県総合防災室火山対策指導顧問の「岩手山地域の地形、火山活動」を皮切りに、今回の杉田氏、5日の青井俊樹岩手大農学部教授「野生動物の現状」、11日の矢羽々文一郎県山岳協会参与会長「登山利用と歴史」、12日の足澤輝夫足澤放射線科院長「自然とふれあう温泉保養の在り方」の全5回開かれる。
1回のみの講座参加も可能。参加費は資料代などで300円(当日持参)。時間はいずれも午前10時から正午まで。当日飛び込み参加も可能。
問い合わせ、申し込みは網張ビジターセンター(電話019−693−3778)へ。
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