2005年 6月 14日 (月) 

       

■ 〈チャグチャグ助役日誌〉9 熊坂伸子 お守り

 就任式の朝、私は緊張の極地にいました。暗記したあいさつ、うまく言えるかしら。それが心配でした。

  白いスーツを着て、イヤリングとネックレスをしました。これは議会挨拶のときにしていた物で、あの時うまくいった(と思っている)ので、縁起を担いで同じ物にしたのです。

  実はこのイヤリングは、二人の娘が高校生のときに、母の日のプレゼントに買ってくれたものです。上野のアメ横で、確か1500円くらい。イミテーションの真珠ですが、助役の仕事をしていた約2年間、ほとんど毎日愛用していました。

  ネックレスは夫が誕生日に買ってくれたもので、こちらはもう少し高い本真珠でしょう。

  非科学的と笑う人もいるでしょうが、これらはこの日から、私のお守りになりました。就任して数カ月は、忘れると、マンションまで取りに戻っていたほどです。失敗できない時、緊張する時は、舞台の袖や、会議室の前などで触って、「がんばるぞ」と自分に言い聞かせていました。

  お守りのおかげか、なんとか就任あいさつが済みました。ところで、その日の村長あいさつがふるっていました。「行政改革を進めて、1日も早く助役をリストラしよう」というものです。

  村長のこの考えは、行政組織は小さくするべきという、私が村長にインタビューさせていただいた時から一貫して変わらないものです。でも、私の就任式に、私を迎えるあいさつの中で言うなんて、かなりユニークな村長だとその時、改めて思いました。

  職員は慣れているらしく、動じる様子もありません。

  その後も村長は、内外の講演会などで頻繁に「1日も早く助役をリストラ…」というものですから、「分かってますけど、ちょっと情けないから、言うのを少し控えてくれませんか」とお願いしたほどです。

  ちなみに、私のこのお守りは、助役の仕事以外にも、博士号取得のための学会発表や口頭試問の時などにも頼りになりました。本当にありがとう。(滝沢村前助役)

 


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