■ 街はオーバーストア状態 北東北流通フォーラムで藻谷氏が講演
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日本政策投資銀行地域企画部参事役の藻谷浩介氏 |
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北東北のエリアマーケティングを考える民間企業グループの北東北流通フォーラム(代表・藤原敬久日清食品盛岡営業所長)の05年度第1回勉強会が10日、盛岡市大通のホテル東日本で開かれた。県内の流通業者や商業者、大手食品メーカーの県内営業所長ら80人が参加した。
講師を務めた日本政策投資銀行地域企画部参事役の藻谷浩介氏(40)は「まちづくりと地方流通、オーバーストア状態に突入する盛岡広域経済圏」をテーマに、日本経済の状況説明をしながら、オーバーストアの行く末、商店街の課題などに持論を展開した。
日本は貿易黒字と外国債購入等による所得黒字で年間20兆円の利益を上げている。藻谷氏は「金余りだがモノは売れない状態。しかし20兆円の史上空前の利益の中で海外旅行への消費だけは4兆2千億円となっている」と日本の特殊な状況を説明した。
若者の雇用減少と団塊の世代の定年など人口構成の激変を指摘。「経済活力の基準の一つは就業者が退職者を上回ること。退職者は金を使わない。名古屋はトヨタを除けば低迷している。仙台や盛岡では雇用は安定している。それは大都市を中心とする経済成長から遅れていたため」と言う。
しかし今後、日本全体で退職者が就職者を上回り、経済の活力がそがれる状況になるとみる。「構造的な就業者減少に向かう。20歳から59歳の就業人口は今後10年で700万人が減少する。少子化対策で産めや増やせやと言うが、今から産んでも10歳。間に合わない」と今後の厳しい流れを指摘した。
このような流れを踏まえたうえで流通の動きを分析。全国的に巨大SC(ショッピングセンター)や大型スーパーマーケットの出店攻勢が止まらない状況だが、盛岡商圏も同様な動きが避けられないと分析する。
藻谷氏は大型店出店で全国各地では店舗面積増と売り上げ減が同時に起こり、地域全体の疲弊化が進行中と言う。値下げ競争の激化が、コストダウンを促し、従業員数を減らす。
「日本全国がオーバーストア状態。売り場面積が増えて市民の雇用の場が減る構造。大型店を歓迎する地域もあるが、結局は市民自らが雇用を減らすことをしている。パートもアルバイトも減り所得が減る」と悪循環の状態を強調する。
「店舗の坪効率が低く、新店舗展開で売り上げ増のスキームはもう崩壊する。イオンは作り過ぎで自らの手で商圏自体を壊してしまっている」と手厳しい。
郊外への大型店進出で中心市街地の商店街の多くが衰退の状態。「大型店のように駐車場を整備しても駄目。衰退する商店街は魅力がないし文化性もない。大型店と同じ商品を売るようでは勝てない。衰退した商店街を活性化させるには、今はイオンの方がうまい。大型店以上に魅力を出す。この商店街にしかないユニークな店を増やすか、高く売る店を増やすしかない。盛岡も同じ」と、スト
レートに意見を述べた。
藻谷氏は東大法学部、コロンビア大学経営大学院卒。日本開発銀行(現日本政策投資銀行)入行後、地域企画部で調査等を経て現職。経済産業省地域経済研究会委員、日本百貨店協会アドバイザー、立教大学非常勤講師も務めている。
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