2005年 7月 1日 (金) 

       

■ 子育てもっと楽しんで 野口さんがヒント集「校長室の窓から」

     
  父母や若い教師にエールを送る野口晃男さん  
 
父母や若い教師にエールを送る野口晃男さん
 
  元小学校長で盛岡市教育研究所教育相談員の野口晃男(てるお)さん(61)=盛岡市仙北=が、「子育てのヒント 校長室の窓から」を発刊した。子育てに奮闘する父母と若い教師へのメッセージを込めた。「小学生を持つ親は苦労もあると思うが、子供に最もメッセージを送りやすい時期でもある。一緒に成長するつもりで子育てを楽しんで」と話す。

 本書は野口さんが校長時代、学校便りに書いた「校長室の窓から」を再録。久慈市立大川目小校長に赴任した1995年春から、盛岡市立中野小校長を定年退職した今年3月の中から、約120編を選んでまとめた。

  「学校、楽しかった?」−親が子供との会話を切り出すときによくする質問だが、野口さんは「具体性がなく、子供にとっては難しい質問」と言う。「きょうは誰と遊んだの?」の方が数段分かりやすく、親も子供の様子が想像できる。

  最も大事なことは、「親がどんな話題に関心を示すかで、子供は話題を選ぶようになる」こと。楽しいことを記憶して話すという行為は、その子に「プラス思考」という素晴らしい力を育てる。その反対で親がマイナス面にだけ関心を寄せると、子供は自分の受けた被害の部分だけを学校から持ち帰ることになるという。

  子供のわがままとのつき合い方、あいさつや手伝いの大切さなど、家庭で実践できる子育てのヒントが随所に。「一部分でも心に残る部分があればうれしい」と野口さん。

  「学校への批判にどうこたえるか」の章は、家庭や地域との連携を目指す学校経営者の目がうかがえる。心配する声も寄せられた雨の中の水泳教室や自転車教室。保護者や地域住民の不安を解消するため、実施の狙いや当日の子供たちの様子など情報公開に努めた。

  36年の教員生活。子供の純真さは変わらないが、親を取り巻く環境は大きく変わった。「車社会によって目的地には早く着くが、手をつないでの親と子の会話など楽しみをなくした部分も。むだに思えるような時間こそ大切にしてほしい」とアドバイスする。

  野口さんが大切にしている写真がある。退職を迎えた中野小の校長室で、子供たちの笑顔に囲まれた一枚。校長室のドアは常に開いていたという。「校長だから偉いわけではない。門構えや地位、服装などの見た目で人を判断したり、物おじする人にはなってほしくない」と言う。「大切なのは心。一対一で付き合える人間性を養ってほしい」と願う。

  野口さんは秋田県大館市出身。県立大館鳳鳴高校を経て岩手大教育学部卒。

  「子育てのヒント 校長室の窓から」は、A4判185ページ、セーコー印刷。表紙・扉絵は、仁王小の教え子でデザイナーの百武朋さん(東京都)。1000円、送料340円。

  希望者は、郵便番号020−0861、盛岡市仙北2の18の12、野口晃男さんまではがきで申し込む。

 


 


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