2005年 7月 2日 (土) 

       

■ 〈工芸〉使ってほしいと訴える家具 橘さんと鎌田さんが創作展

     
  フクロウの下駄、薬箱の階段だんすなど和の雰囲気漂う鎌田信八さんの作品  
  フクロウの下駄、薬箱の階段だんすなど和の雰囲気漂う鎌田信八さんの作品  
  一戸町奥中山の橘孝子さん(ミチルの森工房)、花巻市材木町の鎌田信八さん(木工房HACHI)の創作家具展が、盛岡市清水町の南昌荘で7月3日まで開かれている。木の質感を生かし、優しいフォルムに仕上げた橘さんの作品、和家具を現代風にアレンジした鎌田さんの作品。合わせて70点が展示されている。

  二人は、二戸高等技術専門学校で木工を学んだ仲間。兵庫県明石市出身の橘さんは、宮澤賢治にあこがれて岩手に移り住んだ。鎌田さんとともに初の作品展になった。

  橘さんの家具は、実用的で面白みのあるフォルムが特徴。やや丸みのあるテーブルや背もたれが曲線を描くチェアーなど、実際に触れたり、腰を掛けたりしたときの当たりの柔らかさも考慮した。

     
  「山の風、海の風」(ついたて)など優しいフォルムの家具が並ぶ橘孝子さんの作品  
  「山の風、海の風」(ついたて)など優しいフォルムの家具が並ぶ橘孝子さんの作品
 
  ついたて「山の風、海の風」は、セン、ケヤキなど数種類の木をパズルのようにつなげ、一つの風景をつくり出した。木の間に組み込まれた小さな魚は橘さん自身、かわいらしいリスは4年前に亡くなった娘のみちるさんをイメージしたという。表情豊かな木目や自然の色合いが、山並みや夕焼け空、風になって包み込む。

  「遠くにいて会えなくても、思っているよという気持ちを込めた」と橘さん。7年前に岩手に転居したころ、娘と使うテーブルなどから作り始めた。

  「このくらいの子ならどの程度の高さがいいか、どうすれば使いやすいか、今でも考える。母親をやらせてもらって本当にありがたかったと思う。まだまだ勉強中だが、やっとここまでこられた」と話していた。

  鎌田さんは、昔ながらの階段だんす、文机、飾り棚などを現代の生活に合うようにアレンジ。たんすの一部が茶の湯のスペースになる「水屋箪笥(みずやだんす)」など、独創的な作品も展示した。

  小ぶりな階段だんすの「薬箱」は、両側から引き出すことができ、中央の仕切りによって夫婦で使うこともできる。「ふくろう下駄」は、両方の下駄を合わせるとフクロウの姿になるユニークなもの。色鮮やかな鼻緒も愛らしく、来場者の人気を集めていた。

  会社を辞めて高等技術専門学校に学び、第二の人生として木工の道を選んだ鎌田さん。「和の家具を暮らしの中に取り入れ、少しでも和んでもらえれば」と話していた。

  南昌荘は入園料200円。

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