日本語で「きょうは学校がない」と言うと学校が火事で焼けてなくなったという意味ではありません。
英語だって学校を校舎という意味と授業という意味の両方に使います。言語が一つの記号に一つの意味しか対応しなかったら言葉は使い物にならないでしょう。英語は一つの単語の意味がたくさんあって大変だと言いますが、大変なのはそれらが日本語と「意味の守備範囲や使い方」がズレていることが多いからです。
さて 「今日は学校がない」 は No
school today. ですし、放課後
after school, 学校へ行くは
I go
to school.つまり学校の建物に行くというよりは、勉強に行くのです。「通学」です。
学校視察に行くのであればvisit the school.つまりある日に限って、ある特定の学校に授業以外の目的で行くのですからtheにもなれるわけです。
同様に、go to hospitalは「通院」に当たります。病院という医療行為をする所にその目的のために行くのです。ですから、お見舞いに行く時はvisit the hospitalとなります。この場合は、医療行為をする所というとらえ方というよりは、ある特定の病院という場所・建物ととらえているのです。
schoolやhospitalは普通名詞なのですが、とらえかたによってこのように変わります。それによってaがどうの、theがどうの、やれ数える対象ととらえるのどうのというところがやっかいなわけです。
でも実際の英会話では少々間違ってもコミュニケーションに大きな不都合はないようです。気がついたら言い直せばいいのですから。
英会話をしているとき Good
morningの前にどうしてaやtheがないのか、とか the morningではどうしてtheがあるのかなどと考えたり迷ったりしないのはそれが口癖になっているからです。そこが大事です。言語理論が分かったから英語がうまくなるということは絶対にありません。聴く、話す、書くなどの練習が必須です。文法は、言わばそのための「モニター役」です。
(言語人文学会会長) |