初めてわたしたちとの距離が測定された銀河はアンドロメダ銀河M31です。20世紀初頭、アメリカのウイルソン山天文台で、かの有名なハッブルがアンドロメダ銀河の周りに散らばる球状星団の中のセファイドと呼ばれる変光星の明るさの観測で明らかにしたのでした。
この発見には何人もの人がかかわっていました。その一人は天文台の建設資材を馬車で運んだ少年です。
彼は天文台にかかわるうちに天文学に興味を覚え、天文台の完成後は守衛となって働きながらやがて観測助手となり、ついには天文学者として、たくさんの銀河の写真撮影や観測に活躍したのでした。
アンドロメダ銀河の球状星団の中の星の明るさが変化していることに最初に気づいたのはハッブルの秘書をしている女性でした。
わたしたちは宇宙の深さをこうして徐々に知ることになります。こういったエピソードは枚挙にいとまがありませんが、社会や生き方の随所に「かたち」を第一義としているわが国では考えにくいことですね。
球状星団というのは数万から数十万個の星がぎっしりと、おむすびのように集まっている星の集団のことをいいます。わたしたちの銀河系には130個ほどあって銀河系を囲むように散らばっています。
多くは銀河系の中心部あたりの周りにあるので、ヘルクレス座やへびつかい座、さそり座、いて座など夏の代表的な星座にたくさん分布しています。セファイドというのは明るさが変わる変光星の一つのタイプで、明るいものほど明るさの変わる周期が長いことが知られています。
ですから、いわば物差しの役目を持つ星であり、球状星団の中にたくさん見つかっています。遠くの銀河の周りにある球状星団の中のセファイドを観測することで、その銀河までの距離を知ることができるのです。
ヘルクレス座にあるM13は、わたしたちの銀河系の球状星団の中で一番と言えるほど見ごたえのあるものです。はくちょう座のデネブ、こと座のベガの順に星を見つけたらその西隣にあるのがギリシャ神話の勇士ヘルクレスです。「英雄、色を好む」と言いますが、“H”の形をしたヘルクレス座は初めての人でも割と興味深く覚えられるでしょう
望遠鏡の視野の中で漆黒の宇宙空間をバックに密集した星が明滅する姿は、しばし地上の喧噪(けんそう)を忘れさせてくれることでしょう。(盛岡天文同好会会員)
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