2005年 7月 10日 (日) 

       

■ 〈胡堂の父からの手紙〉15 八重嶋勲 金が着いたか知らせよ

 17半紙 明治33年4月9日付
 
  宛 盛岡市四ツ家町角猪川先生方
  発 紫波郡彦部村大巻 
前略壱円郵送致候、尚書籍等ハ可相成他人ノモノ借用シテナリト間合セスル様可致候、夫共不止得分ハ何程金ヲ要スルヤ否ヤ報知スへシ、金到達ハ可成否ヤ報導スベシ、余は後便ト申残ス、早ゝ
  四月九日         長四郎
   長一殿
 
  【解説】「前略1円郵送した。なお、書籍等はなるべく他人のものを借りたりして間に合わせるように。それともやむを得ない分はいくら金を要するか知らせよ。また金が着いたかどうか知らせるべし。余りは後の便に申し残す。早々」という内容。参考書や本などは他人から借りて使うように、と節約をしきりに呼びかけている。これからいよいよ学費調達に父は大変な苦労するのである。
 
  18巻紙 明治33年4月26日付
 
  宛 盛岡市四ツ家町角猪川静雄方
  発 紫波郡彦部村 
前略食費金五円差送リ候、受取ノ上ハ通報スベシ、
筆法ノ勉強ハ大ニ喜フ処ニ有之候、五月上旬出盛ノ際山口ヘ頼ミ手本ヲ得ル見込ニ候得共常ニ強メ粗筆セサル様可致候、毎度なから上級を繰起勉強スル様心掛クヘシ、
而シテ明年ハ高等ヘ入学試験ヲ受クル様心掛ヘシ
家内ニ変事ナシ
文章ハ高尚ナルモノヲ選ミ勉強スベシ、余ハ後便ト申残ス
  四月廿六日        野村
   野村長一殿ヘ
 
  【解説】「前略食費5円送金した。受け取ったときは通報すべし。書の筆法の勉強は大いに喜ぶところである。5月上旬出盛の際に山口剛介より手本をもらうことにしているが、勉めて粗末な筆跡にならないようにすること。毎度ながら上級を目指した勉強をするよう心掛けよ。そうして来年は高等の学校の試験を受けるよう心掛けること。家内に変わったことはない。文章は高尚なものを選んで勉強すべし。余りは後の便に申し残す。」という内容。
  相変わらず筆跡について注文をつけている。父が直接山口剛介に会い手本をもらってくると言うのであるから、いかに胡堂の筆跡が気に掛かったかが分かる。(紫波町彦部公民館長)八重嶋 勲Κ)

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