2005年 7月 12日 (火) 

       

■ 〈経済〉コンビニは強敵 県外食産業協議会の明戸会長に聞く

     
  明戸均県外食産業協議会会長  
 
明戸均県外食産業協議会会長
 
  県外食産業協議会(会員110社)の3代目の会長に、盛岡市内に店を構える初駒の明戸均社長(54)が就任した。発足から15年。県内の外食産業の活性化や県産の農水産物の消費拡大などに努め、会として新メニュー開発にも力を入れてきた。現在は県外資本の相次ぐ進出などで厳しい状況にある。明戸会長に業界の課題や会としての今後の対応などを聞いた。

 −就任の感想は。
  明戸会長 厳しい経済・消費環境の中で大役を任された。正直、任は重いが何とか一致団結して諸課題に取り組み、県内の外食産業や農水産物の生産者らが活性化するよう力を入れたい。

  −県内の外食産業の現状は。
  明戸会長 低迷状態の企業から継続的に新規出店をしている企業などまちまちだが、全体的には厳しい状態。売り上げや来店客数など減少傾向にある。バブル崩壊の90年代中ごろからダウンの傾向に入った。当社もそう。老舗も含め転廃が進んだ。今が一番厳しい状態。

  −その主な要因は何だと分析しているのか。
  明戸会長 景気低迷で外食費を抑制する消費行動がある。コンビニエンスストアやスーパーでの弁当類に流れる傾向も強まり、飲食店での消費減少として影響を与えている。コンビニは大変手ごわいライバル。

  さらに県外の大手FC(フランチャイズ)資本が相次ぎ進出し、地場の企業のシェアを奪っている。価格競争に入り利益率が低下している地場企業は少なくない。

  −この1、2年県外資本の外食産業が進出ラッシュだが。
  明戸会長 県内、盛岡市はまだ未開の地。1つ拠点店を確保すれば多店舗展開で進出する。食材はセントラルキッチンで1次加工し店では解凍や保温すれば良い料理がほとんど。ファストフードと同じようなシステムで参入している。数年前までは郊外への進出がほとんどだった。

  しかし最近は市内の中心部に進出している。市内の空き店舗などを狙い店を出す。居酒屋や牛丼、すし、ラーメンなどのチェーンが市内に増え、地場のすし店や定食屋が激減した。今後さらに多種多様な県外の外食チェーンが増えそうだ。

  −その流れに対しどのような対応を図るのか。
  明戸会長 消費者に来てもらうためには差別化が必要。それは地場の安心・安全な食材を活用したおいしい料理を提供すること。当協議会では地産地消運動を展開してきた。生産者の現場に出向き、生産者と交流しながら現地の生産物を知り、それを食材コンクールの素材として活用する取り組みをしてきた。

  地場の食材を使用した新メニューも開発、少しずつだが採用している。このような展開をさらに積極的に推し進める必要がある。

  −具体的には。
  明戸会長 具体的な食材の名前を出して各店がもっと利用することが必要。同時期に同じ食材を使用し市民や観光客にアピールする。宮守村のワサビを一斉に使用したり、一戸町のホウレンソウを一斉に使用するなどだろう。

  −課題と今後の対応は。
  明戸会長 仕入れが大きな課題。大きな会社は直接、生産者から大量仕入れが可能だが、中小規模の会社では、仕入れルートを確保するのが難しい。生産者、流通、小売り、外食産業が一体化した取り組みが必要。この課題にも取り組みながら県民、市民が地場の食材で料理している飲食店やホテル、旅館などを利用してもらうようなPRも必要。地場の外食店を利用することが、県内の農水産物の需要喚起になり、地場の活性化にもなるはず。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします