2005年 7月 13日 (水) 

       

■ 緩和ケア病棟の設置を ホスピス設置願う会が県立中央病院に要請書

     
  緩和ケア病棟設置の要請書を提出に訪れた岩手にホスピス設置を願う会  
 
緩和ケア病棟設置の要請書を提出に訪れた岩手にホスピス設置を願う会
 
  岩手にホスピス設置を願う会(川守田裕司代表)は12日、県立中央病院への緩和ケア病棟設置を望む要請書を県医療局と県立中央病院に提出した。川守田代表ら5人が県医療局と中央病院を訪問。広島県での先進事例なども紹介しながら、がん患者やその家族の心身の支えとなる緩和ケア医療の推進と専門病棟の必要性を訴えた。

 特に盛岡医療圏のがん治療の拠点病院となっている中央病院には緩和医療の中枢センターを設置し▽緩和ケアに関する情報の収集と発信▽患者やその家族、医療関係者などを対象とする総合相談▽医療者、福祉関係者を対象とした緩和ケアの専門研修▽緩和ケアの地域連携支援、緩和医療の推進−といった役割を果たしてほしいという。患者や家族に対する精神的な配慮や経済的な負担の軽減についても併せて要望した。

  県医療局では佐藤義昭管理課長らが応対し「県立病院全体の赤字は単年度で15億円にも上っており、花巻北上統合病院の新築以降の計画はない。専門の病棟の設置は病院の新増築をする場合が前提。ソフト面での工夫を先行させていきたい」と県の考えを説明した。

  一方、県立中央病院では樋口紘病院長と同病院の緩和ケアチーム専従看護師の伊藤ゆかりさんを交えて、緩和ケア医療の課題について懇談した。

  同病院では身体担当の医師3人、精神担当の医師1人、専従看護師1人がチームを作り緩和ケア医療の向上を図っている。チームの介入で患者や家族から感謝されることも多いが、各病棟に分散しているすべての末期がん患者に、十分なケアを展開するのは難しい状況という。

  日本看護協会ホスピスケア認定看護師の資格を持つ伊藤さんは「緩和ケアは死を迎えるための過程ではあっても、人生の最期をいかに、より良いものにするか、現在を生きるためのケアであることを患者さんや家族には繰り返し説明している」などと緩和ケアの現状にについて説明。その上で「6人部屋では患者さんも人目をはばかって十分に気持ちを話せない。個室を中心とした緩和ケア病棟が必要」と環境面での整備の必要性を強調した。

  樋口院長は「同じ病棟にこれから手術する人、今日手術した人、最期を迎える人とが同居している現状は、ケアする側にとってもじくじたる思いがある」と同会の訴えに理解を示し、「予防、初期診断からターミナルケアまで、がんの総合医療対策という大きな理念を持って臨むべき」と県を挙げた取り組みに期待した。

  県立磐井病院には来春、新設の県立花巻北上統合病院には08年に緩和ケア病棟が設置される予定だが、高度医療を求めてがん患者が集中する盛岡医療圏には、いまだ専門病棟の設置計画はない。

  川守田代表らは「在宅での緩和ケアだけでは限界があり、スタッフがそろった専門病棟が望まれる。中央病院でセンター機能を持ち、本県の緩和ケア医療全体の底上げを図ってほしい」と話している。

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